裁判官の不正に関する告発を受けて調査するフロリダ州司法審査会の調査員レイシー・ストールツが、判事がカジノなどの利権を持つキャット・フィッシュ・マフィアと呼ばれるギャングと組み賄賂を受け取って便宜を図る裁定を続けているという告発を受理して調査を続けるが…という小説。
グリシャムらしいテイストの作品ですが、法廷シーンはなく法律家業界ものです。また、かつてはジェット・コースターのようなとか、「グリシャム・マジック」という紹介がされるのが定番だったグリシャムですが、むしろあまりひねらず安心感のある展開の作品に思えます。
大企業や権力者の悪行をテーマとするのではなく、マイノリティの先住民に敵意を煽るような設定が採用されているのが、私には今ひとつ読み味が悪く思えました。
「解説」で、この作品で初登場のレイシーを主人公にした続編が発表されるまで5年かかったことについて説明しています(下巻366ページ)が、それよりもこの作品自体の出版に関して、グリシャムの新作が邦訳までに8年もかかったのはなぜかの方を教えて欲しいと思いました。
原題:THE WHISTLER
ジョン・グリシャム 訳:白石朗
新潮文庫 2024年11月1日発行(原書は2016年)
グリシャムらしいテイストの作品ですが、法廷シーンはなく法律家業界ものです。また、かつてはジェット・コースターのようなとか、「グリシャム・マジック」という紹介がされるのが定番だったグリシャムですが、むしろあまりひねらず安心感のある展開の作品に思えます。
大企業や権力者の悪行をテーマとするのではなく、マイノリティの先住民に敵意を煽るような設定が採用されているのが、私には今ひとつ読み味が悪く思えました。
「解説」で、この作品で初登場のレイシーを主人公にした続編が発表されるまで5年かかったことについて説明しています(下巻366ページ)が、それよりもこの作品自体の出版に関して、グリシャムの新作が邦訳までに8年もかかったのはなぜかの方を教えて欲しいと思いました。
原題:THE WHISTLER
ジョン・グリシャム 訳:白石朗
新潮文庫 2024年11月1日発行(原書は2016年)