高校のバスケ部のときの憧れの先輩丸山颯と交際2年同棲中の25歳南里逢衣が、お盆に秋田のリゾートホテル滞在中に出会った、颯の幼なじみの中西琢磨の彼女の売り出し中のタレント荘田彩夏から、東京に戻った後言い寄られ、当初は拒絶していたが次第に受け容れむしろ夢中になっていくという恋愛小説。
同性愛なんじゃなくて、好きになった相手がたまたま女性だっただけ、というのはそれでいいんですが、同性愛の傾向になかった、むしろ女は嫌いだったという人気上昇中のタレントが、出会った瞬間に女性に一目惚れというのは、どうにも違和感があります。優しさ、清潔感、指がきれい、仕事も一生懸命していたことを好きになって自分からアタックして射止めた(男の)恋人がいるのに、そして外見の美しさや強さを言うなら周囲により優れたものがゴロゴロしている芸能人が、一般人女性に「一目惚れ」して、その恋人を捨てますか。恋愛は理屈じゃない、理性でもないと、恋愛の不条理な破壊力を描いているのでしょうけれども、そういう恋愛小説なんでしょうけれども、やはり納得できないものが最後まで残ってしまいました。
綿矢りさ 集英社文庫 2022年6月25日発行(単行本は2019年6月)
島清恋愛文学賞受賞作
同性愛なんじゃなくて、好きになった相手がたまたま女性だっただけ、というのはそれでいいんですが、同性愛の傾向になかった、むしろ女は嫌いだったという人気上昇中のタレントが、出会った瞬間に女性に一目惚れというのは、どうにも違和感があります。優しさ、清潔感、指がきれい、仕事も一生懸命していたことを好きになって自分からアタックして射止めた(男の)恋人がいるのに、そして外見の美しさや強さを言うなら周囲により優れたものがゴロゴロしている芸能人が、一般人女性に「一目惚れ」して、その恋人を捨てますか。恋愛は理屈じゃない、理性でもないと、恋愛の不条理な破壊力を描いているのでしょうけれども、そういう恋愛小説なんでしょうけれども、やはり納得できないものが最後まで残ってしまいました。
綿矢りさ 集英社文庫 2022年6月25日発行(単行本は2019年6月)
島清恋愛文学賞受賞作
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