解剖学者の著者が、ライフワークとして続けている昆虫採集、特に「ゾウムシ」の採集とそれをめぐる蘊蓄、ラオスでの採集経験などを綴ったエッセイ。
虫をめぐる話がもちろん中心なんですが、その中で触れられるちょっとした着想、例えば「日本語は色に関する語彙が豊富な言語だったが、今では単純になってしまった。自然と縁が遠くなってきたからであろう」「かって美しい自然を見ていたから、日本人は色彩の美に対する感受性が高かったのだと信じる」(27~28ページ)とかに感心します。
自分の経験では想像できない、アシナガバチに刺されて景色が白黒になったとか、天井の電気の傘の模様が虫に見えたとか、眼鏡が灰皿に見えたとか(154~158ページ)も、興味深く思えました。
養老孟司 ヤマケイ文庫 2023年8月25日発行(単行本は2015年7月)
虫をめぐる話がもちろん中心なんですが、その中で触れられるちょっとした着想、例えば「日本語は色に関する語彙が豊富な言語だったが、今では単純になってしまった。自然と縁が遠くなってきたからであろう」「かって美しい自然を見ていたから、日本人は色彩の美に対する感受性が高かったのだと信じる」(27~28ページ)とかに感心します。
自分の経験では想像できない、アシナガバチに刺されて景色が白黒になったとか、天井の電気の傘の模様が虫に見えたとか、眼鏡が灰皿に見えたとか(154~158ページ)も、興味深く思えました。
養老孟司 ヤマケイ文庫 2023年8月25日発行(単行本は2015年7月)
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