炎暑の長月を過ぎ、ようやく秋らしい日々が続く神無月となりました。私の地域でも3年ぶりの各種のイベントが復活し賑わいを取り戻しつつあります。私の携わるボランティア関連も、催し物が目白押しに組まれて嬉しい悲鳴を上げている所です。
「未だ咲く 酔芙蓉」
その先頭のイベントが第一週の週末、三連休に私の地域のホールでありました。以前に自閑さんの短歌に詠んで頂き、私も解説で少し触れさせて頂きましたが、オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』の撮影スタッフとして、ボランティアで参加して参りました。
「オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』のリーフ」
リハーサルが10月7日、本番が10月9日にそれぞれ行われましたが、リハーサルは16:00~21:30まで6時間弱、本番は12:30~16:30と4時間余りカメラ機材と共に格闘してきました。
本番では、前段が「ガラ・コンサート」であったため、お客様と、演者からの提案でフラッシュと、電子音、シャッター音は不可となりました。撮影にはかなりの制約があり、絞り優先の撮影を余儀なくされました。個人的には、思った映像が撮れずに不満が残りましたがやむを得ないものと納得しました。
なお、電子音のオフは行えましたが、シャッター音の消去はカメラ機材の機能もあり難しく、お客様の了解を得て客席最後尾のドアの外からの望遠レンズを用いて撮影するということで切り抜けました。四時間を立ちっぱなしでの撮影は流石にこたえましたが、達成感もあり心地よい疲労感でもありました。
「咲き残る 芙蓉」
オペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』はご存知の方も多いかと思いますが・・・、イタリアの小説家、ジョヴァンニ・ヴェルガによる小説、同人による戯曲、およびピエトロ・マスカーニが同戯曲に基づいて作曲した一幕物のオペラです。
物語は、兵役帰りの若く貧しい男トゥリッドゥと、彼の元許婚者であった人妻ローラとの男女関係のなりゆき、そしてトゥリッドゥがローラの亭主アルフィオに決闘で殺されるまでを淡々とした筆致で描いています。
このオペラは、イタリアにおけるリアリズム文芸運動の典型的作品と言われているように、人のもつ悲しさ、弱さ、嫉妬、さらに復讐といった、かなり生々しい内容を含んでいます。しかし、その間奏曲は清澄感に満ち聞き惚れるに値する曲と感じました。
小説では脇役的存在だったサントゥッツァを、このオペラでは、トゥリッドゥといったんは相思相愛となり、その子までを身ごもったにもかかわらず捨てられ、復讐として告げ口をし、やがて後悔に苛まれる、という演じ甲斐のある役回りに深化させています。
また、小説では血生臭い結末に至るまでリアルに描写されているトゥリッドゥとアルフィオの決闘シーンは、舞台裏で行われるように変更されていました。
「未だ咲く 白花曼殊沙華」
オペラは、主演並びに総監督を務める日隈典子氏の圧巻の声量と演技力と、さらに村人たちの群像劇が程よく絡み合い、厚みのある感動的な舞台になっていたと感じました。
また、トゥリッドゥ役の川久保博史氏、ルチア役の巌淵真理氏、アルフィオ役の照屋博史氏も、朗々と歌い上げる見事な歌唱と共に落ち着いた演技で好感が持てました。特にルチア役の巌淵真理氏の存在感は圧倒的なオーラを放っていました。
「千日紅」
久しぶりのオペ鑑賞ですが、見ごたえのある舞台に撮影しながらも深い感動を味合うことができました。なお、オペラの大半の場面の撮影を行いましたが、映像の掲載は控えさせて頂きます。 了
さつえい(撮影)おつかれさまでした🍀🍀✨✨
コメント頂きありがとうございました。
『カヴァレリア・ルスティカーナ』のオペラは、イタリアにおけるリアリズム文芸運動の
典型的作品と言われているように、人のもつ悲しさ、弱さや、嫉妬、さらに復讐
といった、かなり血なまぐさい内容を含んでいます。しかし、その間奏曲は清澄感に
満ちた聞き惚れるに値する曲と感じました。
おっしゃるように、永遠の眠りに入る前にこの曲を聴きながら・・・、と思わせる
癒される旋律に溢れているとも感じます。
小説と戯曲との間の乖離は気になりますが、小説では脇役のサントゥッツァを
主人公に据えることによって、物語がよりリアルに人間のさがの掘り下げに寄与
しているのではないかと勝手に解釈しています。
撮影は機材も、腕も素人のアマチュア写真ですので、どこまで舞台の実態に
迫れたかは心もとない限りです。でも、終始楽しく参加させて頂きました。
これからもよろしくお願いします。