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伊坂節炸裂!『アイネクライネナハトムジーク』by伊坂幸太郎

2017年11月12日 | 小説レビュー
~ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。
奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。
情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ。「BOOK」データベースより


短編集なんですが、徐々にぐるっと繋がっていき、最後には全部繋がるという、伊坂ワールド満載のハートウォーミングストーリーです。

登場人物全員が、家族とか友だち、同僚、同級生という、何とも現実にはあり得ない物語なんですが、サラサラと読めてしまうのは、さすが伊坂幸太郎氏です。

そこかしこに、名言も散りばめられていて、心に響きます。

「自分が正しいと思いはじめてきたら、自分を心配しろ」、「相手の間違いを正す時こそ言葉を選べ」等々。

そして、物語の結構重要なところで「アントニオ猪木」が登場するんです。アントニオ猪木の生き方とか名言とか、色々残っていますが、中でも有名なのが、『道』ですよね。

「この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。
 危ぶめば道はなし。踏み出せばその一歩が道となり、
 その一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ。


なかなか良いことを言っておられます。僕の周りにも「アントニオ猪木」を心から尊敬している友だちが一人いますね

色んなジャンルの小説を読んでいますが、本を読み疲れた時には、手に取りたい一冊ですね。

★★★3つです。