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わかりやすく面白い『隠蔽捜査』by今野敏

2018年03月16日 | 小説レビュー
『隠蔽捜査』by今野敏

~竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。
その朴念仁ぶりに、周囲は“変人”という称号を与えた。
だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。
組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。「BOOK」データベースより


知人のオススメである「今野敏」氏の警察小説です。オススメだけあって、一気に読みました。とっても読みやすく面白い小説でしたね。

この『隠蔽捜査』シリーズは、7まで出ている人気シリーズらしく、それも納得ですね。それに僕好みの「吉川英治文学新人賞」受賞作品というのも良いですね。

主人公の「竜崎伸也」は、始めの方は「なんか難しいオッサンやなぁ~」と、あまり好ましくないキャラクターとして登場しますが、読み進めるうちに「はっはぁ~ん・・・、これは、なかなかの好人物や」と評価が上がっていきます。

ブレない信念、警察官僚としての誇り、鋭い洞察力・判断力・・・、どれを取っても警察庁に勤めるキャリア官僚として素晴らしい仕事ぶりです。

物語としては、序盤の静かな立ち上がりから、徐々に事件が拡大していき、クライマックスでは手に汗握るやりとりがあり、最後には爽やかなエンディングを迎えます。

仕事を中心にというか、仕事以外のことは考えていない竜崎の性格によって、家族との確執が生まれますが、僕も父親として、娘たち、嫁さんとの接し方、問題が起こったときの対処の仕方など、色々と考えさせられる部分がありました。

それにしても、「こんなにうまいこといかんやろ!?」と思う点も多々ありましたが、警察機構が良くわかり、とても楽しめる内容だったので、よしとしましょう!

次の『果断』も予約しますよ。

★★★☆3.5です。