~人は人を愛する時、いつもどこかで本当の自分、飾り気のない自分をさらけ出してしまうのだろう。
相手に見せたい自分、こんなふうに見てもらいたいと願う自分は、実は常に、中身のない、実体のない、ただの脱け殻にすぎないのだ―。
愛の始まりから失恋、絶望、再生までを描く小池文学の決定版、本格恋愛小説。「BOOK」データベースより
小池真理子さんの作品は、『恋』から始まり、『二重生活』、『欲望』、『無伴奏』、『ソナチネ』、『冬の伽藍』、『死の島』、『沈黙のひと』、『無花果の森』、『虹の彼方』、『望みは何かと聞かれたら』と、11作品を読んできました。
この『愛するということ』で、12作品目になりますし、伊坂幸太郎、東野圭吾と並ぶ、僕のトップ3に入る作家さんです。
とにかく描写が美しい、言葉、比喩、感情模写、全てにおいて洗練されている文章を書かれます。
この『愛するということ』も、なかなか良い作品なんですが、主人公に共感することが出来ず、何ともいえない作品です。
野呂との失恋の後、自暴自棄になりかけている時期に柿村に出会うんですが、これまた何とも言えない感じで、終始、心の中にまとわりつく違和感で、あんまりダイブ出来ませんでした。
タイトルがストレートなだけに、もう少し深みや意味を持たせてくれるストーリーにしてもらえたら、「なるほど」と思えたかも知れません。
★★★3つです。
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