今日の午前中、オリンピックの花「女子マラソン」があった。私は、実はあまりライブ放映は見なくて、後で「録画」を見る事が多かったのだが、この「女子マラソン」だけは、時間帯の良さもあって、テレビに噛り付いた。「金」の最有力候補野口選手が、直前に怪我の為出場を辞退し、他の2選手に、期待はあまり出来ないと分かってはいた。マラソンは、最も過酷な競技の一つである。世界各国から選り抜きの選手80名以上を集め、40キロ以上を高速で走らせるのである。
女子マラソンを見た興味の中には、整備された北京の現在の様子が眺められると言うこともあった。15年以上も昔、旅行で訪れた北京がどのように変貌しているか、やはり素晴らしい道路であり、建物であり、大学だった。北京大学、精華大学、構内を選手は走ったのだ。中国の名門大学の広さと美しさに驚いた。マラソンの内容については、しっかり放映されているから、割愛しよう。ただ、最有力選手の一人が僅か5キロで脱落したり、日本期待の土佐選手が25キロ地点で苦痛に顔をゆがめてリタイアしたり、優勝候補と見られていた選手が、30キロ地点で突然失速したり、とドラマは続いた。
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(トメスク選手、周選手、ヌデレバ選手、毎日JPより借用)
優勝したのはルーマニアのトメスク選手、38歳とか、早くから独走態勢に入っていた。世界には凄い女性もいるものだ、と感動した。2位争いは、グラウンドに入って大観衆の目前で激しく争われた。中国の週選手、ケニアのヌデレバ選手である。周選手は、ここで抜かれて「銅」メダルに終わった。どんなにか悔しかっただろうと同情した。日本の中村選手は、13位に終わった。オリンピックマラソンでの日本女子選手の5大会連続メダル獲得はならなかった。
女子マラソンに限らず、どの競技でも、出場したアスリート達は、個人的名誉のほかに国名を背負って戦っている。2年、3年と厳しい練習を重ね、国内競技や国際競技で実績を積まねば、オリンピックには出られない。しかし、勝負事には、努力や苦悩を嘲笑するように、思わぬ失敗、怪我などが付いて回る。練習の時間に比し、何千分の一の短時間で勝者と敗者が誕生する。無情なものである。力尽きて敗れ去っていく選手達へ、私は、限りない「賞賛と慰労」の眼差しを送りたいと思っている。