落伍者を鞭打つ

幕の内の大型力士「若ノ鵬」は、１８日に警視庁に逮捕された。容疑は６月下旬に東京都墨田区の路上で大麻成分を含むたばこを所持していた容疑である。本人は容疑を認めていると言い、自宅マンションや間垣部屋の自室から吸引具や吸い殻などが見つかった、とか。若ノ鵬は、ロシアから来日し、恵まれた体格と勝負強さから、３年目で早くも幕の内に昇進していたものである。

これを受けて、日本相撲協会は２１日、理事会を開き、若ノ鵬容疑者を解雇処分とした。現役力士が解雇されるのは、大相撲始まって以来初めてと言う。師匠の間垣親方（元２代目横綱若乃花）は自ら理事辞任を申し出て、理事会もこれを了承した、とか。当人がいわゆる「角界追放」同様の厳しい処分を受けるのは当然として、間垣親方の監督責任も問うた訳である。

間垣親方は、以前細君を失い、更に近年「脳梗塞」で唐黶A半身不随の状態である。部屋の監督指導が充分出来ない状態だったと言う。充分監督できる筈の高砂部屋でも、高砂親方の「注意何処吹く風」の、「不埒な横綱」朝青龍がいる。自分勝手な行動は目に余るが、協会理事長すら避けて通っている。問題の根は深い。文化の歴史が全く異なる異国からやって来て、強くなれば「俺の方が偉い」と肩を怒らす風潮があるのだ。

若の鵬も、間垣部屋を勝手に出て、マンションを借り、六本木辺りに出没して派手に遊び回っていたらしい。「立会い」に変な変り方をしたり、凡そ大相撲らしくなかった。「馘」になって当然である。才能を惜しむ気にならない。若の鵬に限らず、外国人力士の中には、暴力的雰囲気の漂うものもある。真面目な努力家は、勿論いるが、大相撲の名を汚す輩には、早く辞めて貰いたい気持ちだ。

アメリカ大リーグのヤンキースで活躍した元プロ野球投手伊良部が、２０日には、暴行の現行犯で逮捕された。大阪市北区のバー「バタフライ」で、男性店長を壁に押しつけたり、髪の毛を引っ張ったりした疑いだと言う。伊良部も現役中から、何かと問題の多い選手だった。天分が輝いている時は、人も大目に見るが、落ち目になれば同情する人もいなくなるのだ。

その点、昨夜の女子ソフトボール決勝戦は、凄かった。負け続けていたアメリカを遂に下した。胸がすっとした。日本は女子でもっている。星野ジャパンは、韓国にも大敗し、日本プロ野球の脆弱さを天下に曝した。物凄い高給を得ていながら、努力を怠っていたのだ、と非難されても仕方がなかろう。