昨日から二十四節気の「清明」。清明とは万物が清らかで生き生きとしていること。「清浄明潔」という言葉による。花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く時期を指している。季語としては春の季語。
★清明の雨浸みわたる千枚田 水田光雄
★清明の路ゆく媼が念珠かな 飯田蛇笏
★清明の水菜歯ごたへよかりけり 鈴木真砂女
第1句にとても惹かれた。清明と聞くと、晴れた天気を思い浮かべてしまうのが習いだが、これから田植えが始まる準備か、あるいは早いところではすでに田植えの時期を迎えているかもしれない。
東北地方では田植え前の水をたたえている時期、西の方では新しく植えられたみずみずしい緑が雨を吸うように成長しようとする生命感あふれる時期であろう。雨が清明の季感にきれいに寄り添っているように感じた。