東博の「本阿弥光悦の大宇宙」展では、次の5点が気に入った。
まずは、やはり目玉展示の「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」(重要文化財)、「花卉鳥下絵新古今集和歌巻」、「松山花卉摺下絵新古今集和歌巻」。
解説には「松山花卉摺下絵新古今集和歌巻」は、料紙の継ぎ目裏には「紙師宗二」の印があるとのこと。「鶴下絵・・・」と比べて「筆の打ち込みが柔らかく全体的にたおやか」と記されている。
料紙の選択もまた光悦の美意識に沿ったものであるのだろうが、私はこの巻頭の山と梅、藤、芒様の「雌日芝(めひしば)」がとても気に入った。筆の肥痩のリズムと和歌の句の上下、そして料紙の文様の上下のリズムが実に心地良いと思った。
出来れば描かれた歌を知りたいものである。多分、歌の内容と料紙の文様にも対応関係はあるのだろう。
次に茶碗のコーナーでは特に「黒楽茶碗 銘時雨」と「赤楽茶碗 銘乙御前」(共に重要文化財)が気に入った。黒楽茶碗は照明によって釉薬の色合いが変化して見える用だ。展示ではあまりに強い照明なので、白く浮き上がる口縁の部分が黒く沈んでしまったのかもしれない。
「時雨」「乙御前」ともに手に取って、自然光下の家屋の中で見たかった。また緑色の抹茶の色が底に映えるのを見たいと思ったが、到底適えられない願望である。
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