6時の最低気温は20.8℃、湿度77%と爽やかな秋らしい朝の奈良で、ゴミ出
しで外に出ると、上空は真っ青で一部に絹雲がたなびいていた。
ところが10時頃から雲が覆い始め、お昼には一面に広がっていた。
最高気温は27℃台で、過ごしやすい日になった。 (10時半)
さてそんな朝のこと、狭い小庭で伸び放題の植木の隙間から小さなピンク色
が覗いていた。『赤西王母椿』が咲だしたのです。
こんな句がヒットしました。
『蕉庵の蔀戸明かり西王母椿 (せいおうぼ)』 土居通子
蔀戸(しとみど)とは、コトバンクによれば
”板の両面に格子を組んだ戸。外に突き上げ、あるいは内に引き上げて
開け、軒または天井から下げた金具に引っかけて留める。"と
『西王母椿』とは、江戸時代幕末に交配種として金沢で作り出された名花。
名の由来は不明だが、『西王母』は中国の不老不死の女神で後に仙女に転じ、
漢の武帝に献じた桃は、三千年に一度花が咲き実がなる伝説になった。
これにより得がたいものや長寿のたとえとされている。
南北朝に記された曾我物語に
「三千年に花さき実なるせいわうぼうの園のもも、
うどんげよりもめづらしや」
この桃の実にあやかり『西王母』と名付けれたのかも。
でもツバキの花は一週間ほどで首から落ちるのに?
自庭では毎年9月終わりから春三月にかけて咲き、桃の様にふっくらとした
形と曙色の如き花弁のグラデーションが魅力的で、11月からの炉開きに
無くてはならない椿、その後も春まで茶花として重宝しているようだ。
一重の筒咲きで中輪 、雄蕊は黄色ですが、今年は長く続いた酷暑で、水遣り
が足りなかったのか、葉が一部陽に焼かれている。
咲いた蕾も、水不足か陽に曝された影響を受けているようだ。
(なお自庭には白の西王母椿もあるが、咲く時期は11月過ぎのようだ)
連れ合いは咲いたことを聞くと、
”11月にはしっかりとした花が欲しいので、ゆっくり咲いてほしいのに”
それから
”もう簀戸をそろそろ障子に交換する時期になったのか”と
嘆息していた。