読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
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日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

光麺 池袋本店

2008-11-15 23:55:40 | グルメ
池袋ウエストゲートパークの四巻に収録されている「東口ラーメンライン」を読んで、ちょっと池袋のラーメンでも食べてみようかと思いました。
そして訪れたのがこの「光麺 池袋本店」です
光麺は池袋のほかに高田馬場、新宿、代々木、原宿、恵比寿、六本木、上野、秋葉原に店舗を展開しているようです。
これらの店の総本山となるのが、ここ池袋本店。
「東口ラーメンライン」でも実名で登場していました



私が注文したのは、「塩光麺」です。
これは何と言っても、スープの旨さが相当なものです
魚貝類を使ったスープなのですが、特徴はさっぱりとしているのに味に深みがあることだと思います。
写真を見ると、麺が透けて見えるくらい透明感があるのがわかるか思います。
しかし味には確かなコクがあり、非常に丹念にダシを取っていることがわかります。
麺は細めで、しなやかさがあります。
これがとてもスープと合います
太麺ではこのスープとの相性はイマイチのはずです。
この細麺とスープを合わせることを考えた人はすごいなあと思いました。
この二つは抜群の相性だと思います。

過去に新宿店で「塩光麺」を食べたことがありますが、味に決定的なまでの差はないです。
ただ池袋がラーメンの聖地なのと、こちらは本店ということで、気持ち的にこちらのほうが美味しく感じました。
メッカブランドと本店ブランドの力ですね(笑)
たぶん激戦区池袋を勝ち抜くために、日々新しい味の研究をしているはずです。
今度行くことがあったら、しょうゆ味のものを食べてみようかなと思います

「電子の星」石田衣良

2008-11-15 23:53:12 | 小説
今回ご紹介するのは「電子の星」(著:石田衣良)です。

-----内容-----
アングラDVDの人体損壊映像と池袋の秘密クラブの関係は?
マコトはネットおたくと失踪した親友の行方を追うが…。
通り魔にギャングの息子を殺されたジャズタクシー運転手に告知された悲惨な真実とは?
「今」をシャープに描く、ストリートミステリー第4弾。
切れ味、スピード、さらに快調。

-----感想-----
というわけで、池袋ウエストゲートパークシリーズの第4弾「電子の星」、さっそく読んでみました。
今回は以下の四つの短編が収録されています。

東口ラーメンライン
ワルツ・フォー・ベビー
黒いフードの夜
電子の星

この中では、東口ラーメンラインが一番読みやすくて面白い内容でした
Gボーイズの王様・安藤崇のボディーガードとして活躍していた双子の「ツインタワー1号2号」が、このたびGボーイズを卒業してラーメン屋を開業。
ツインタワーというのは、二人とも身長が2メートル近くあることから付いたあだ名です。
開業した場所はなんと、ラーメンの激戦区池袋東口!
半径百メートルの円の中に、七軒ものラーメン屋がひしめく大激戦。
池袋東口を舞台にラーメン戦争が勃発します。
この話の面白いところは、実在のラーメン屋も登場しているところです
「光麺」、「ばんからラーメン」、「麺家玄武」、「無敵家」、「二天」という実在のラーメン屋五軒と、「ヌードルス」、そしてツインタワー1号2号の店「七生(なお)」が、熾烈なラーメン戦争を展開。
「光麺」、「ばんからラーメン」、「麺家玄武」、「無敵家」が以前からある店で、「二天」、「ヌードルス」、「七生」は新たに参入してきた新興勢力という構図です。
当初は善戦していた「七生」、店の前にラーメンライン(行列)が出来たりもしていました。
しかし何者かによる嫌がらせにより、徐々に客足が遠のいてしまいます。
ネットに悪意あるコメントを書かれたり、店の前に生ゴミを撒かれたりと、事態はまさに「仁義なきラーメン戦争」。
この嫌がらせの犯人を捕まえるべく、ツインタワー1号2号はマコトに依頼します。
マコトとしてもツインタワー1号2号とは古くからつきあいがあるので、何とかしてあげたいという気持ちがあったようです。
このシリーズは人が死ぬことが結構あるのですが、「東口ラーメンライン」は誰も死ななかったし、楽しく読めました。

「もういいでしょう。狙いはあの店だけなんだから」
「やつがネットに火をつけ始めた」
「金か。いくらほしいんだ」

などのいかにも仁義なき闘いな台詞も出てきて、なかなかドキドキしました
今まで読んだ話の中で、上位に来る作品だったと思います。


表題作の「電子の星」では、アングラDVDというものが登場します。
アングラはアンダーグラウンド(地下)のことです。
そのDVDに収められていたのは、恐るべき人体損壊映像。

マコトの元には、テルという男が失踪した親友の捜査を依頼しに来ます。
調べを進めていくうちに、この人体損壊映像の存在が浮かび上がってきます。
そして人体損壊映像と失踪した親友のつながりに気付いていく二人。
このお話は、けっこうグロテスクなものでした。
人間の狂気のようなものを感じました。

あと石田さんの作品では初めて、別作品とのリンクがありました。

おれは最近ちょっと気のきいたネットワーク小説を読んだのだが、そこにはこんなスローガンが書いてあった。
「よい人生とは、よい検索だ」


これは、アキハバラ@DEEPに出てくるスローガンではないですか
「ちょっと気のきいたネットワーク小説」というのがウケました。
ご自分の書いた小説をそう表現するとは。。。

それと、現代が抱える闇を鋭く捉えている台詞がありました。
「高校を出てからはこの世界に復讐してやるつもりになった。ぼくたちを田舎の小さな部屋の中に閉じ込めて、自分たちだけで金もうけばかりしてる豊かな外の世界への復讐だよ」
これは、間違っているなと思います。
これはマコトに依頼しに来たテルの言った台詞で、テルは田舎で引きこもりをしています。
引きこもりになったのを外の世界のせいにしていますが、そんなはずはなく、自分の意思でそうしたはずです。
もちろん、引きこもりたくなるくらい辛い思いをしてきたのはあるのでしょうが、それを外の世界のせいにするのは、筋違いというものです。

あと、この話には「負け犬」という言葉がよく出てきました。
テルは最初から自分のことを負け犬だと思っているようです。
マコトは、自分の力で闘おうとしないテルに「お前はまだ負け犬にもなってない」と言っていました。
自分の力で全力で闘って初めて、勝ち負けが生じるのだというのが、マコトの考えのようです。
たしかにそうだと思いました。
最初から「私は負け犬です」なんて言っていないで、まずは頑張ってみるのが大事だと思います。

事件のほうは、次第に規模の大きなものになっていって、とあるクラブと人体損壊映像につながりが出てきます。
Gボーイズの王様・安藤崇などと連携し、調べを進めていくマコト。
果たして、このクラブで待ち受けるものは何なのか。。。

内容は怖いものがあっても、やはり話のテンポは良かったです。
それがこのシリーズの良いところだと思います
次の第五巻も近いうちに読んでみたいと思います。

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