読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「反自殺クラブ」石田衣良

2008-11-23 10:46:10 | 小説
今回ご紹介するのは「反自殺クラブ」(著:石田衣良)です。

-----内容-----
今日も池袋には事件が香る。
風俗スカウト事務所の罠にはまったサンシャイン60階通りのウエイトレス。
伝説のスターが設立を夢見るロックミュージアムの真実。
集団自殺をプロデュースするインターネットの”クモ男”。
ストリートの「今」を鮮やかに描くIWGPシリーズ、切れ味がさらに増した第5弾!

-----感想-----
今回はタイトルが印象的でした。
「反自殺クラブ」とは、きついタイトルだなと思いました。
自殺の前に反が付いているので、自殺に対抗するためのクラブなのかなという印象を持ちました。

スカウトマンズ・ブルース
伝説の星
死に至る玩具
反自殺クラブ

という四つの短編から構成されているのですが、このうち反自殺クラブが100ページ以上あり、一番長い物語になっています。
反自殺クラブは集団自殺を巡る話でした。
扱われていたのは、インターネットの「自殺系サイト」。
そこに巣くい、自殺を呼びかけるスパイダー(クモ男)を捕まえるために、マコトのところに依頼がきます。
その依頼者が、反自殺クラブのメンバーというわけです。
自殺系サイトは現実世界でも問題になっているし、実際にそういったサイトを通じて集まった人たちが集団自殺したニュースも何度か見ました。
それだけにこの話はかなり現実感がありました。

反自殺クラブの目的の一つとして、集団自殺を阻止するというのがあります。
日々自殺系サイトを監視していて、不穏な動きがあればメンバーたちも動きます。
自殺志願者たちが集まってミーティングを開くことがあるのですが、そういった場所にメンバーが自殺志願者を装って潜入したりします。
そしてこれらの集団自殺が計画されるたびに浮上してくるのが、スパイダーという謎の人物の存在。
自殺系サイトに巣を張り、自殺志願者たちを自殺に導いているのです。
これは自殺ほう助といって、れっきとした犯罪です。
果たして反自殺クラブとマコトは、スパイダーを止めることが出来るのか…

この話はなかなか重いものでした。
自殺という言葉事態にも重い響きがあります。
集団自殺はたまにニュースで見ることもあるし、自殺系サイトの存在が問題になりました。
こういった暗黒サイトを全て排除するのは、やはり無理なのでしょうか。
もしかしたら現実世界にもスパイダーのような人物がいるのではと、ぞっとしたりもしました。
でもそれと同時に、反自殺クラブのようなものも存在するかもしれないと思いました。
本の帯にある言葉「群れて死ぬより、ひとりで生きよう!」。
せっかくの尊い命、もっと大切にしていきましょう。

重い内容ではありますが、レビューは比較的涼しい感じにまとまったと思います。
なかなか客観的に書けたのではないかと。
そう、私は物事を客観的に捉えることが出来る。。。某元総理、あなたとは違うんです!!
と、最後はパロディっぽくして終わらせて頂こうと思います
それではまた


※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。