読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「神様のカルテ2」夏川草介

2011-11-19 20:52:52 | 小説
今回ご紹介するのは「神様のカルテ2」(著:夏川草介)です。

-----内容-----
医師の話ではない。
人間の話をしているのだ。
42万人に愛された感動のベストセラー、待望の新章!
あの「一止とハルさん」に、また会える。

-----感想-----
「神様のカルテ」の続編となるこの作品、前作が非常に面白かったのですかさず続編を読んでみました^^
前作では末期ガンの患者の命と向き合いましたが、今作ではとても身近な命と向き合うことになります。
最初にその人が倒れた時はよもやこの人が…と思いショックを受けました。
主人公の栗原一止(いちと)が勤める本庄病院のわりと重要な立場の人で、一止もお世話になっていました。
人はいつ何時、病魔に襲われるか分からないなあと思いました。
認めざるを得ない現実の中で、どう病気と向き合い、どう悔いのない最後を迎えさせてあげるか…一止たちは色々考えます。

ここまでの流れを見ると、とても悲しい話になりそうですが、単にそういう話にはならないのがこのシリーズの良いところです。
今回も色々なことがありました。
一止を支えてくれる、奥さんであるハルとの冬の信州・美ヶ原高原での散策。
一面銀世界の、真冬の雪原から二人並んで見た北アルプスの山々
嬉しそうに山々を指差して名前を挙げていくハルと、傍らで頷く一止。
とても良い感じの二人だと思います
一止が激務に耐えられるのも、少なからずハルの支えのおかげもあると思います。

そして、今回重要な登場人物として一止の前に現れるのが、進藤辰也という一止の大学時代の同級生。
大学卒業後、東京の有名病院で働いていたのですが、この春から本庄病院に赴任することになりました。
気心知れた同級生だし、医者も1人増えて本庄病院としても嬉しいことかと思いきや、思わぬ展開に…
働き始めた進藤先生の評判が悪く、たちまち病院中の噂になります。
学生時代「医学部の良心」とまで呼ばれた進藤を知っているだけに、困惑する一止。
その目に映るのは、かつての医療に情熱を持っていた進藤ではなく、冷たく患者にもドライな医者の姿でした。
「久しぶりに再会した友が、すっかり変わっていたとき、人は時の流れという得体の知れない化け物の存在を実感する」
一体、東京で何があったのか。。。
思わぬ心配の種を抱えた一止は、この変わってしまった友と向き合っていくことになります。

何はともあれ、今作も非常に見所たっぷりで面白い内容でした。
そして最後は悲しみもありましたが、未来に向かっての希望も感じられました。
前作の「神様のカルテ」と合わせて、文章的にもとても面白く読み応えもあるのでお勧めな作品です


※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。

※図書ランキングはこちらをどうぞ。