親和会サロン 於自治会館 R6.10.5
人生の幸福とは何か?楽しみとは何か?分かっているようでも今一つ整理は出来ていない。下記資料を読み
懇談会を行いました。
独楽吟
釈尊は4つの真理「四諦 苦集滅道」を説かれたが、独楽吟はこの世は苦であるとした 苦諦を否定しているのだろうか?それとも八正道(道諦)を歌い上げているのだろうか?
独楽吟(どくらくぎん)『橘曙覧遺稿志濃夫廼舎しのぶのや歌集』より52首
1.たのしみは艸(くさ)のいほりの莚敷きひとりこころを静めをるとき
たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起こすも知らで寝し時
たのしみは珍しき書(ふみ)人にかり始め一(ひと)ひらひろげたる時
たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外に能くかけし時
たのしみは百日(ももか)ひねれど成らぬ歌のふとおもしろく出できぬる時
たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時
たのしみは物をかかせて善き価(あたひ)惜しみげもなく人のくれし時
たのしみは空暖(そらあたた)かにうち晴れし春秋(はるあき)の日に出(い)でありく時
たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時
10.たのしみは心にうかぶはかなごと思ひつづけて煙艸(たばこ)すふとき
たのしみは意(こころ)にかなふ山水(やまみづ)のあたりしづかに見てありくとき
たのしみは尋常(よのつね)ならぬ書(ふみ)に画(ゑ)にうちひろげつつ見もてゆく時
たのしみは常に見なれぬ鳥の来て軒遠からぬ樹に鳴きしとき
たのしみはあき米櫃に米いでき今一月(ひとつき)はよしといふとき
たのしみは物識人に稀にあひて古(いに)しへ今を語りあふとき
たのしみは門売(かどう)りありく魚買ひて烹(に)る鐺(なべ)の香を鼻に嗅ぐ時
たのしみはまれに魚烹(に)て児等皆がうましうましといひて食ふ時
たのしみはそぞろ読みゆく書の中(うち)に我とひとしき人をみし時
たのしみは雪ふるよさり酒の糟(かす)あぶりて食ひて火にあたる時
20.たのしみは書よみ倦(う)めるをりしもあれ声知る人の門(かど)たたく時
たのしみは世に解(と)きがたくする書の心をひとりさとり得し時
たのしみは銭(ぜに)なくなりてわびをるに人の来たりて銭くれし時
たのしみは炭(すみ)さしすてておきし火の紅(あか)くなりきて湯の煮ゆる時
たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき
たのしみは昼寝せしまに庭ぬらしふりたる雨をさめてしる時
たのしみは昼寝目ざむる枕べにことことと湯の煮えてある時
たのしみは湯わかしわかし埋み火を中(うち)にさし置きて人とかたる時
たのしみはとぼしきままに人集め酒飲め物を食へといふ時
たのしみは客人(まらうど)えたる折しもあれ瓢(ひさご)に酒のありあへる時
30.たのしみは家内(やうち)五人(いつたり)五(いつ)たりが風だにひかでありあへる時
たのしみは機(はた)おりたてて新しきころもを縫ひて妻(め)が着する時
たのしみは三人(みたり)の児どもすくすくと大きくなれる姿みる時
たのしみは人も訪(と)ひこず事もなく心をいれて書(ふみ)を見る時
たのしみは明日物(もの)くるといふ占(うら)を咲くともし火の花にみる時
たのしみはたのむをよびて門(かど)あけて物もて来(き)つる使ひえし時
たのしみは木の芽瀹(に)やして大きなる饅頭を一つほほばりしとき
たのしみはつねに好める焼豆腐うまく烹(に)たてて食はせけるとき
たのしみは小豆(あづき)の飯(いひ)の冷えたるを茶漬けてふ物になしてくふ時
たのしみはいやなる人の来(き)たりしが長くもをらでかへりけるとき
40.たのしみは田づらに行きしわらは等(ら)が耒(すき)鍬(くは)とりて帰りくる時
たのしみは衾(ふすま)かづきて物がたりいひをるうちに寝入りたるとき
たのしみはわらは墨するかたはらに筆の運びを思ひをる時
たのしみは好き筆をえて先づ水にひたしねぶりて試みるとき
たのしみは庭にうゑたる春秋(はるあき)の花のさかりにあへる時(とき)時(どき)
たのしみはほしかりし物銭(ぜに)ぶくろうちかたぶけてかひえたるとき
たのしみは神の御国の民として神の教へをふかくおもふとき
たのしみは戎夷(えみし)よろこぶ世の中に皇国(みくに)忘れぬ人を見るとき
たのしみは鈴屋大人(うし)の後(のち)に生まれその御(み)諭(さと)しをうくる思ふ時
たのしみは数ある書(ふみ)を辛(から)くしてうつし竟(を)へつつとぢて見るとき
50.たのしみは野寺(のでら)山里日をくらしやどれといはれやどりけるとき
たのしみは野山のさとに人遇(あ)ひて我を見しりてあるじするとき
たのしみはふと見てほしくおもふ物辛(から)くはかりて手にいれしとき
(楽しみはお経をあげて父母と幼き頃を語り合うとき )
(橘曙覧になって眺めれば楽しみ溢れ尽きることなし )
橘 曙覧(たちばなあけみ、文化9年(1812年)- 慶応4年(1868年))幕末期の歌人、国学者。越前国(現・福井県福井市)に生まれる。生家は紙、筆、墨などや家伝薬を扱う商家で、曙覧は第六代目、43歳の時曙覧と改名。橘諸兄の血筋を引く橘氏の家柄と称し、そこから国学の師・田中大秀から橘の号を与えられた。2歳で母に死別、15歳で父が死去。叔父山本平三郎の後見を受け家業の酢製造業を継ごうとするが、嫌気がさして28歳で隠遁。飛騨高山の本居宣長の国学の弟子田中大秀に入門し、歌を詠むようになる。寺子屋の月謝などで妻子を養い、清貧な生活に甘んじた。1858年、安政の大獄で謹慎中の松平春嶽の命を受け、万葉集の秀歌を選んだ。
橘曙覧の長男、井手今滋(いましげ)は父の残した歌をまとめ、1878年(明治11年)『橘曙覧遺稿志濃夫廼舎歌集』を編纂した。正岡子規はこれに注目し「万葉以後において歌人四人を得たり」として、実朝・田安宗武・平賀元義とともに曙覧を挙げている。以後、子規およびアララギの影響下にある和歌史観において重要な存在となる。
「常に悲感を懐きて心ついに醒悟す」釈迦
常に深い悲しみを胸の奥に秘め、その悲しみを大切にして歩み続けるとき、人はついには悟りに目覚める、涙を流すことは人生を深める道でもある
人間にとっての苦しみとは決して無駄なものではなく、苦しみのあるところには
必ずそれを乗り越える神様の愛と恵みが与えられている 鈴木秀子(文学博士)
幸福になるための2か条
①その人が人間として為すべき事がらに、真剣に取り組んでいれば自然と与えられる (その人が自分の天分を十分に発揮し実現すること)
②「人のために親切にする」 森 信三
幸福論(Eudaemonics)とは幸福ひいては人生そのものについての考察論究のこと
「三大幸福論」と言えば、ヒルティの『幸福論』(1891年)、アランの『幸福論』(1925年)、ラッセルの『幸福論』(1930年)による3つの幸福論を指す
幸福論の特徴
アリストテレスBC384 ギリシャ哲学者 『ニコマコス倫理学』 幸福とは快楽を得ることだけではなく、政治を実践し、または人間の霊魂の固有の形相である理性を発展させることであるとして、幸福主義をとなえた。
エピクテトス 50~135ギリシャ哲学者 『語録』 己の力の及ぶものと及ばないものを識別し、自己抑制をもって生きることを説く。
スピノザ 1632~1677オランダ哲学 『エチカ』 物事を永遠の相のもとで見ることが幸福(神に対する知的愛)への道であるとする。
ショーペンハウエル1788~1860 独 哲学 『幸福について』 目先の環境に振り回されるのをやめ、すべては空しいと諦観することで精神的落ち着きを得るべきである。世俗的な幸福の源泉を人のあり方・人の有するもの・人の印象の与え方に大別した上、肝心なのは「人のあり方」であるとする。 『意志と表象としての世界第四部』自他の区別を去った意志の否定を説く。
ヒルティ 1833~1909 スイス 法学者 『幸福論』 神のそば近くあることが永続的な幸福を約束するとする宗 教的幸福論
アラン 1868~1951仏 哲学 『幸福論』 健全な身体によって心の平静を得ることを強調。すべての不運やつまらぬ物事に対して、 上機嫌にふるまうこと。前向きに考えるよう呼びかける楽観主義。幸福な人とは着物を投げ捨てるように別の幸福を投げ捨てる人だ。だが彼は自分の真の宝物だけは決して捨てない(自分の一番大切に思うものさえ握って生きていればそしてそれ以外のものに執着せず捨てられるだけの楽天性を持っていれば人は幸福になれる。何らかの不安何らかの情念何らかの苦しみがなくては幸福は生れてこない。それでもこの世は悪くなかった佐藤愛子)
ラッセル 1872~1970 英 哲学 『幸福論』 己の関心を外部に向け、活動的に生きることを勧める。
シェークスピア1564~1616 英 劇作家・詩人 世の中に幸も不幸もない ただ考え方次第でどうにでもなるものだ
福田恆存1912~1994 評論、劇作家 『私の幸福論』不公正な世の現実を見据え、弱点を弱点と認識した上でとらわれなく生きること。望むものを手に入れるために戦い、敗北しても悔いないこと。
「幸せは誰かがプレゼントしてくれるものでもないしお店に売っているものでもない。 どう生きるかを自問してこそ 実感できる」
人間にとって不変の4つの真理(人間学) ①必ず死ぬ ②自分の人生は自分しか生きられない③人生は1回限りである ④悠久の宇宙の中で自分という人間は1人しかいない
先達の教えに心を磨き人格を高め1回限りの人生を豊かに生き抜き尊い命を輝かせたい
普段の楽しみはなにですか? 内閣府 平成26年
1.伝統文化の維持・保存
2.教育活動
3.宗教活動 信仰
4.教養講座の受講などの学習活動
5.室内娯楽
6.社会奉仕、ボランティア活動
7.ハイキングなど自然の中でのアウトドアレジャー
8.仕事(職業、家業)
9.室内で行う趣味活動
10.犬や猫などペットと遊ぶ
11. 歌、踊り
12. ワープロ、パソコン、インターネット、携帯電話
13. 屋外趣味活動
14. スポーツ活動
15. スポーツ観戦、観劇、音楽会、映画
16. 読書
17. ビデオ、CD鑑賞
18、 散歩、ウオーキング、ジョギング
19. 買い物、ウインドウショッピング
20. 家族との団らん、孫と遊ぶ
21. 旅行
22. 食事、飲食
23. 仲間や親友、同好の士との交流
24. テレビ、ラジオ
六波羅蜜と八正道 親和会写経の会
1.摩訶般若波羅蜜多心経 仏典の名
摩訶 大きい 多い 勝れた
般若 サンスクリット語 プラジュニャー
パーリー語 パンニャー の音写 智慧という意味
迷いを去って悟りを開く智慧
波羅蜜多 パーラミター 完成 到彼岸 智慧の到彼岸
悟りを開くこと
心経 仏の教えを書いた本 経典
2.六波羅蜜 人格完成の為の六項目
1.布施 他人に何を与えることができるか ダーナ 与える 贈る 捧げる
①物施②恭敬施(敬う、惚れる)③法施(生き方)無財の七施(眼施、和顔施
言辞施、身施(奉仕 ローソク:他人の為に生きる)心施(かわかない心、思いやりの心、善濡ぜん
じゅ直心)壯座施、房舎施(一夜の宿を貸す)
2.持戒 きまりを 守ることができるか 五戒 ①不殺生戒(命を大切に)②不偸盗
ふとうとう戒③不邪婬戒④不妄語戒(嘘をつかない)⑤不飲酒戒
3.忍辱 にんにく 耐えることができるか 釈尊修業中美女の誘惑に耐える
4.精進 常に前向きか 誓うだけでなく他の5つを実践する 比叡山千日回峰行
5.禅定 無心か 自己を捨て相対するものになり切る、心静かに自己をみつめる
6.智慧 心は濡れているか 決断したり善悪を選ぶ心の働きとその行動 思いやりの心 人格の格:
きわめ明らかにする 人としてどう生きるか
3.四諦したい(四つの真理)サンスクリット語サテイヤ あきらめではない、真理
1.苦諦 世の中すべて苦しみであるという真理
2.集諦 苦しみの原因は無常と執着にある
3.滅諦 無常と執着を超えることかないと知ること
4.道諦 執着を絶ち切って人格を完成するための八つの正しい道を修行すること
4.八正道
1.正見 正しく見れるか 世の中は無常 生死あり次の世代に引き継がれる
2.正思 正しく四つの真理を考える
3.正語 真実のある言葉を話しているか 何が真実か?「重病人にきっと治る」
4.正業 生活は汚れていないか 清浄な生活 諸悪莫作・衆善奉行・自浄其意・
是諸仏教 (七仏通戒偈)
5.正命 身体と口と心は正常か ・貪とん、むさぼり・瞋しん、怒り・痴ぐち
6.正精進 過去を吹き消せるか 涅槃に至る努力を継続する
7.正念 真の人間を生きているか 正しい道に進むことを誓う
8.正定 集中力あれば心が安定し迷うことのない境地 松原哲明新訳般若心経より