ネコ No.711 黒ぶち

交差点、横断歩道の向こう。
コンビニの前に黒ぶちのネコがいる。

早くアイツの元へ行きたい。
けど、信号はなかなか青へと変わってくれない。
もどかしい。こんな時に意地悪するなよ。

僕の不安をよそに、アイツはマイペースを貫き通している。
でもどうやらコンビニの駐車場で一息つくようだ。よし、そのまま動くんじゃない。

ようやく信号が青に変わった。
けど、急がない。ゆっくりとアイツとの距離を近づけていく。
あくまでも僕はコンビニの客だ。ネコに興味があると悟られてはいけない。

体勢を低くする。
銀の箱を構え、シャッターボタンを押す。
よし、会心の一枚が撮れた。けど、相手にはこちらの行動全てがバレバレだったりする。
いや、それでいい。僕の存在をアピールして、作戦は第2段階へ。


会心の一枚！？ネコ必殺、「あっかんベー」。

ネコとの距離を詰めることに成功した。けど、それは物理的な距離でしかない。
本当に目指すべきことは、互いの心の距離を縮めることだ。ここからは時間との勝負になる。
決して焦ってはいけない。ネコにタッチ♪などもってのほかと思え。根気よく待つ。ひたすら待つ。
蚊が止まっても気にしない。血の一滴くらいくれてやれ。気分は完全に女性デュオあみんだ。

まもなくネコ移動開始。
単に逃げられただけ、とか言うな。
エサを持っていないと判断されれば、ネコは勝手にその場を離れていく。
悲しい定めなのだ。でも諦めちゃいけない。ネコの後を追え。KEEP ON SEARCHING！
数分間ではあるが、一緒に時間軸という名の縦糸と横糸を紡いできた仲じゃないか。
少なくとも敵であるという誤解は解けているはずだ。親友の領域まであと少し。
ここからがラストスパート。いや、友情の始まりといっていい。

僕は観察を続けた。そして・・・。

　　
斜め45度から。上目遣い！？　　　　リラックスモード。気持ちいいニャ。

若干距離はあるが、ネコちゃんはリラックスモードに突入した模様。
目の前で毛づくろいを始めました。ああ、そんなところを・・・。姉さん、大サービス。

そこに肌と肌の触れ合いはない。けど、心と心がどこかで接点を持ったんじゃないか。
僕はそれを友情の成立と名付けている。たとえ他人がそれを否定しても、僕は最後まで信じたい。


ネコ必殺、「かかと落とし」。ではなくて、毛づくろい。邪魔してゴメン。続けて、続けて。

初対面のネコ、いつだって緊張する。相手のネコも緊張しているに違いない。
でもきちんとセオリーを踏んでいけば、互いの距離を縮められることは確かだと思う。
自然でありたい。いて欲しい。最高の瞬間に出会うためだったら、僕はどんな苦労も厭わない。

未知なるネコを求めて。まだまだ旅は続いていきます。ネコ道に王道なし！

　　　　

【「毛繕い」っちゅーことで「猫舌」関連ウェブサイトのご紹介】
★Yahoo!知恵袋 - 猫の舌は何故ざらざらしているんでしょうか？
★@nifty：デイリーポータルZ：猫舌と向き合う　僕もどちらかといえば猫舌です。
★日本猫舌協会公式ホームページ　http://www.nekojita.com/
★Cats and cats　http://www.asahi-net.or.jp/~ek2e-hymz/cat/cat.html

日本猫舌協会なるものがあるとは(ただし個人運営。not法人)。ガストが目の敵にされてるし。
「猫舌」で知識検索すると面白かったので、みなさんも是非。にゃるほど、そういうことだったのか。

ちなみに私は熱いおかゆをフーフーしてくれる人を募集しています。(高橋克実風オチ(^_^;)