旬過ぎてなほ艶やかに彼岸花

秋を代表する花、ヒガンバナ。
田んぼの畦道に赤い花を咲かせているイメージが浮かぶ。

ひがん-ばな 2 【彼岸花】

ヒガンバナ科の多年草。田の縁(ふち)や川岸に群生。秋の彼岸の頃、
高さ約30～50センチメートルの花茎の頂に赤色の花を一〇個内外つける。
花被片は六個で強くそり返り、雄しべは長く目立つ。花後、線状の葉が出、
翌春枯れる。鱗茎(りんけい)は有毒だが薬用にする。曼珠沙華(まんじゆしやげ)
（(まんじゆさげ)）。死人(しびと)花。捨て子花。葉見ず花見ず。［季］秋。

三省堂提供「大辞林 第二版」より

彼岸花の別名はやや恐ろしい。葉のない外観が暗い印象を持たせるのだろうか。
一方、学名はLycoris radiata(Lycoris：ヒガンバナ属 radiata：放射状の舌状花をもつ)で、
Lycoris（リコリス）は、ギリシャ神話の海の女神「Lycoris」の名前から採ったものだという。
花がとても美しいことに注目した命名、それを素直に見習いたいと思う。

9月中旬、駅前の公園で彼岸花を見かけた。
赤い花はちょうど見頃を迎えていて、それが群生していた。
でもここは人通りが多い。私が本当に見たい彼岸花はここじゃない。

実は昨年、自分だけの彼岸花を見つけました。
フェンスの向こう、急斜面に咲く彼岸花。
今年はそれをまだ見れていないので、急いで自転車を飛ばしました。
まだ花を咲かせているだろうか。不安が過ぎります。結果は・・・、

　　
花びら、枯れて茶色くなってます。　　見るも無残。お化けみたいだ。

ヒガンバナ、やはり花は枯れていました。9月下旬ともなれば、仕方ないか。
でも全てが全て枯れてしまったわけではなくて。サバイヴァーもちゃんといました！

　　
光を受けて艶やかに輝く。見事な曲線美。　　　　　　　　　　　　 フェンス、青空、ヒガンバナ。

ヒガンバナ、本当に美しい花だと思います。緩やかな曲線なんか特に。
目を覚ますような赤い色は、地下鉄丸ノ内線とも共通していて個人的に最高。
ちょっと今回は時期的に遅かったけど、後悔はしてません。なぜなら、

　　　　
くるっと丸まった口吻が素敵☆

セセリチョウに会えたからです。ヒガンバナの蜜を吸いに来たの！？
斜面で必至になってこらえている私を応援してくれているようで、泣けてきました(T_T)
黄色い落ち葉の上にセセリチョウ。そしてヒガンバナ。秋を満喫できた1日でした。
でも枯れてるとやっぱ寂しいから、来年はもっと早い時期に行こう。そう誓いました。

関連記事：「富士山って小さいんだね。」

★1年で14日間だけ観光地になる町
DPZ特集、古賀さんによる巾着田(埼玉県日高市)の曼珠沙華群生地レポート。圧巻です。