まんまるログ

融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

リア王 年を取る事の悲哀と無分別

2015年03月26日 | 日記
年老いたリア王は、三人の娘に王国を譲り、まつりごとの煩わしさから解放されたいと考えていた。
すでに領地は三分割し、どの娘にどの領地を分け与えるかも決めてあった。
しかし…覇権を譲ろうとしてもなお、最高の敬愛を受けたいとう老いの執着と気まぐれと老醜。
ゴネリル (Goneril)
リアの長女。オールバニ公の妻。リーガンと共に甘言を弄してリアを裏切る。
リーガン (Regan)
リアの次女。コンウォール公の妻。姉と似たり寄ったりで、リア王を疎ましく思い…やはり裏切る。
コーディリア (Cordelia)
リアの実直な末娘。リアに勘当されるが、誠実なフランス王の妃となる。
リア王は三人の娘に愛情試験を課す。
上のふたりは、父への愛を高らかに宣言する孝行娘の役をみごとに演じ、所定の領地を得た。
しかし、末娘のコーデリアは、そんな姉たちの下心が見えすいている事が苦しい。
父への思いやりから、見てくれだけの孝行娘の役を演じることができなかった。

老いとは恐ろしいものである。

リア王は、そんなコーデリアの深い思いを見抜くことができず、コーデリアを勘当する。
そればかりか、あえて諫言する忠臣ケントにも激怒し、追放してしまう。

悲劇の始まりまでに…これだけの前振りがある。



家族の歴史も、流れる水の様にさらさらと…いう具合にはいかない。

古代ブリテンの王の様に子供らに分け与える領地などない私にとっては尚更。

福田恆存氏の翻訳で読みかえしている。

老いる事よりも…老醜が怖い。

老いの無分別が怖い。

「リア王っっっ 老眼でもしっかりと人間を見極めんかい」

イライラが募る。 

以前読んだ時とはずいぶんと違う感想しかわいてこない。

老化が進んでいる兆候なのかもしれない。

悲劇(悲しみ)は独りではこない、必ず連れを伴ってくる。
その悲しみの跡継ぎとなるような連れを。


コメント
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