1929年、ニューヨーク。
老舗の出版社チャールズ・スクリブナーズ社の敏腕編集者マックス・パーキンズ。
彼のもとに、出版社をたらい回しにされたという原稿が持ち込まれる。
作者は無名の作家トマス・ウルフ。
原稿を読んだパーキンズはその才能に惚れ込み出版を約束する。
ただし‥その条件として膨大な原稿の大幅な削除を要求。
トマスは抵抗する。
激論を重ねながらの気の遠くなるような編集作業に取り組んでいく過程が良かった。
2人の苦闘の末に完成した処女作『天使よ故郷を見よ』は評判を呼び、瞬く間にベストセラーとなるのだが…。
トマス・ウルフは夭折の天才作家。
レニングラード シャーロックホームズのジュード・ロウが演じる。
脳みその中に溢れんばかりの語彙があり‥林檎を食べるという事だけで原稿用紙10枚は使う作家。
多少軽薄で無礼な様も‥見事に演じていた。
カリスマ編集者パーキンズはコリン・ファース。
英国王のスピーチ キングスメンの味とは別に厳格で濃密な人格がはまっている。
パーキンズは、ヘミングウェイやフィッツジェラルドをこの世に送り出している。
編集者と作家はぶつかり合い、寄添いあい、なだめなだめだれ 励ましあいながら一冊の本を世の中に送り出す。
本読みの私には涎が出る世界です。
トマス・ウルフについてはもう一度じっくり読みなおそう‥。
そう思える映画だった。