6月7日の夜明け…この季節でも仄暗い時間に携帯が鳴った。
合歓さんが慌ただしく話しながら出ていく。
胸の中でざわわ、ざわわ…悪い予感がする。
合歓さんがらみはすべからく…私の手足を拘束する事案が多い。
今までが、ほとんどの場合 ・ 高確率で ・ 必ずと言ってよいほど ・ ほぼ必ず・・・・・・
(ジッチュウハック)十中八九・事件の匂いしかしない。
時計は午前5時を過ぎた所。
二度寝する気もなえて燈明をあげる。
お線香を焚く。
仏壇の水を変える。
燈明をあげる。
お線香を香炉で焚く…あぁ同じ事の繰り返し。
モーツァルトを聴きながら瞑想する。
鎮静効果は…長くはもたない。
ため息がひとつ。
N市の山際…資源再生工場前に高架がある。
高架の隅は草地で雨も避けられる。
そこに人が倒れていた。
所長のNさんが発見。
仕事仲間の合歓さんに電話をしたという流れ。
行き場がない・お金がない・故郷を捨てた・着の身着のままで半島にたどりついた人間が、がらくた屋で生活を始めた。
衣・食・住もだが、経済の基盤を…どうする。
こちとら貧乏ですねん。
胸を張って…凛凛と言える。
合歓さんには…幾万言も繰り言をいいたい。
電話があってから6日目の朝…うるり うるりと涙の様な雨が降る。
ため息がまたひとつ。
どん底の人間ばかりを引き寄せる「合歓さん」という存在。
今回で何度目だろうか。
両手の指と足の指を足してもたりない。
引き寄せるだけで完結するのは本人…善人ぶっているが何の力もない。
自分の事すらままならない者…家族の面倒も見れない合歓さんが重い荷物は背負えない。
本能だけで後先はなく、「困ってるなら来ればいい」…
力のないその日暮らしの合歓が差し伸べた手に掴まる者がいるという現実。
背負っていくのは、まんまるな私と家族と…そして友人達。
いつも、いつも、事後承諾。
あぁ。
財力はないが情と真心だけは持ち重りするほど持っている善人たちが…気せわしく動いている。
見ず知らずの人間の明日の為に。未来のために。
そして自分自身の精神に恥じない為に。
そんな1週間が過ぎた。
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