Motoharu Radio Show #083

2011年07月14日 | Motoharu Radio Show

2011/07/12 OnAir - 2nd. Week - 伊藤銀次を迎えて #2
佐野元春:アンジェリーナ
佐野元春:世界は誰の為に
佐野元春:Bye Bye C-Boy
佐野元春:カム・シャイニング
佐野元春:レインガール
伊藤銀次 & 佐野元春:FLOWERS IN THE RAIN
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■内容の一部を抜粋
・特集「佐野元春30周年総括」
先週に引き続いて伊藤銀次さんをゲストに迎えて元春の30周年を総括。
聞き手は番組アシスタントの後藤さん。
銀次さんは「佐野元春を最もよく知る男」と呼ばれているそうだ。

・アンジェリーナ
「アンジェリーナ」は曲がレコーディングされた後に担当のディレクターのクルマの中でテープを聴いたのが最初だと銀次さん。

銀次: 言葉のスピード感とね、ポップとロックの両方ある音楽をはじめ聴いた気がしてね、それでアルバムづくりの時に「プロデューサーというか、アレンジャーを探してるんですけれど銀次さんどうですか? 」と言われたときには、「もう喜んでやらしてください」というふうに、だからこの「アンジェリーナ」が僕(にとって)佐野元春と最初の出会いだったんですよ。それから彼と会ってアルバム『Back To The Street』の4曲の打ち合わせを始めるということになったんで、「アンジェリーナ」はやっぱりすごく思い出がありますね。

音符ひとつに「シャンデリア」という言葉が乗ってるが、当時番組に出ると放送台本に耳で聞き取った歌詞が書いてあって、「シャンデリア」が「渋谷」と書いてあったほどスピーディーな表現だったとか。もともと体内のリズムが早いんじゃないかと銀次さん。

銀次 : 面白いのは、30周年ライヴを観ていて思ったんですけれど、「アンジェリーナ」はやっぱり流行らないですね。何故かって言うと心を揺さぶるまでにしては早過ぎるんですよね、言葉が(笑)。それに比べると「SOMEDAY」は心の襞にひとつひとつの言葉がへばりついてくる滞空時間というのがあって、だから「アンジェリーナ」から「SOMEDAY」に至る二年か三年の間に彼はヒットさせるということを学んだんじゃないかな、なんて思いながら僕は会場で聴いてました。「アンジェリーナ」かっこいいですよ、確かに。今でも燦然と輝くかっこいい曲なんだけれどヒット曲ということで考えるとね、やっぱり「SOMEDAY」のほうが人の心の中に入っていくものを持ってるのかなってすごく思いましたね。

・コヨーテバンド
熟練したホーボーキングバンドでなければバラエティーのある音楽ができないんだろうなと思ったという銀次さん。

銀次 : でも実はコヨーテバンドを観たときに、あの直球のいさぎいい感じというのかな、あれがすごいよかったの。それになんといってもね、コヨーテバンドとプレーすることによって佐野元春は若返ったね。活きがよくなった感じがして『COYOTE』というアルバム、そしてツアーというのが彼にとって現在につながる若返りの泉にね、一回浸ったかのようなそんなふうに僕は見えましたね。よかった、すごく。

・世界は誰の為に
「世界は誰の為に」を聴いて銀次さんはチラッと思ったんだけどと話し出した。沢田研二さんには井上堯之バンドの頃のピークと、エキゾティクスというピークがあったみたいに、ホーボーキングバンドは井上堯之バンドのようなトータルのオールマイティーさの魅力があり、コヨーテバンドはエキゾティクスみたいなロックの荒々しさというかストリート感があり、どちらも捨てがたい魅力があると。

・ジュリー
銀次さんは沢田研二さんのレコードをプロデュースしたことがある。最初に元春のほうに曲の依頼があり、その夜に銀次さんにアレンジの依頼があったとか。スタジオで元春が「彼女はデリケート」をジュリーの代わりに歌ったところ、ジュリーや当時のジュリーのバンド、オールウェイズも刺激を受けて音がどんどん過激になりロックになったそうだ。

・コヨーテバンドとの時間
銀次 : 人間てのはいる環境に支配されるんですよ、自然に。自分てのは見えないでしょ、自分の周りにすごく若い人がいると、自分がすっごく若く思っちゃうんだよね(笑)。ホント、環境って大事でね。活気のない人たちの中にずっといたら、自分も活気がなくなっちゃうから気をつけなくっちゃいけないんですよ。コヨーテバンドとの経験、一緒にいたときに若い気持ちみたいなものがずっーとあったんじゃないですかね。「アンジェリーナの日」に彼と会ったときに、「あれ、すっごい若返ったなぁ」と思ったんですよ。「あぁ、これはきっとコヨーテバンドとすごいいい時間を過ごしたんじゃないかな」て。彼の長いキャリアを振り返るときに、そこでコヨーテバンドとやったってことは、きっとこれからの何年かにとって、ものすごく重要な時間だったって、更にわかってくるんじゃないかと思うんですよね。

・クール
元春はひとつの音楽というのは情報発信なんだという観点から音楽を捉えていた初めての世代だと銀次さん。新しい時代のミュージシャンだと思ったそうだ。それがコヨーテバンドと組んでる作品もそうで、元春が考えてることに的確な言葉を見つけてきてかたちを作り、かたちを作った上でフィーリングを入れていくというのがプロフェショナルだと。それはデビューから変わらないそうだ。心の中はいつも熱い人だけど、それに流されてモノを作らないように、いつも姿勢を正して、みんなに伝わるようにせめぎ合いながら作ってるていう感じがしていたとか。「シュガータイム」は最初もっと過激な歌詞だったそうで、「シングルにするにはちょっと過激すぎるので、歌詞はもう少しわかりやすいほうがいい」とアドバイスしたら書き直してきて、いきなり「ダンス ダンス ダンス 素敵さベイビー」と180度振り切った歌詞になったという。元春は「僕はこの曲をロックに興味がない普通の人が聴いても気に入ってもらえるような、シンプルなビーチボーイズのようなテイストでみんなに届けたい」と言ったそうだ。クールだけど醒めてるわけじゃないのが元春で、それは終始30年変わらないという。

・Bye Bye C-Boy
大阪城ホールで行われた「ALL FLOWERS IN TIME」では杉真里さん、銀次さん、元春の「ねじれトライアングル」で歌った。

・ツイッター
「さて、Motoharu Radio Showでは今番組を聴いてくれている全国リスナーのみなさんがインターネット上で楽しくコミュニケーションできるツイッターという仕組みを採用しています。ここに参加したいという方は今からURLをお知らせするので是非書き取ってください。番組からツイッターのお知らせでした」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/

・カム・シャイニング
東京ファイナルでも歌われたアルバム『VISITORS』からの曲。銀次さんは「トーキングヘッズみたいですねぇ。佐野元春の中でもこの曲ってほかに類を見ないんじゃないかな。これの後継の曲もないし、これの前に素地があったものもないし、おもしろい曲だなと思った」と話した。

・スタンダード感
銀次 : 彼が狙って作ってるかどうかはわからないけれど、実は江戸っ子であるというね。ひじょうにスタイリッシュで新しい音楽を追いかけてきた佐野元春なんだけれど、その根本には古風な人間臭さみたいなものが根づいていて、そこが深いところでね、スタンダードなフィーリングを揺さぶるという感覚がちょっとあるのかなぁなんて思ってしまうんだけどね。

・振り出しに戻る
銀次 : 僕もこの30周年ライヴを観たみなさんもみんな思ってると思うんですけど。なんかね、振り出しに戻るっていう感じがするんだよね(笑)。なんだろね。ここがひとつの完成形じゃなくて、僕も自分のブログにも書いたんですけれど、なにかずっと彼が30年背負ってきた荷物を、最後に1曲ずつ下ろしていって、やっと軽い身体になって、また次の何十年かわからないですけれど、時代に彼が歩いて行くって感じがしたのね。わかんないけど。またなんかとんでもないおもしろいことっていうか、どういうものが出てくるかいつもわからないところが佐野元春の魅力だけど、ちょっと僕期待してるんだよね。

・レインガール
アルバム『月と専制君主』に収録したセルフカヴァー・ヴァージョン。
「いつも新鮮な気持ちで自分が音楽と向き合えるようにと、彼はいつも考えてるのかなと思うね」と銀次さん。

・次のディケイド
銀次 : これはあくまで推測ですよ(笑)。僕は預言者ではないので。ここのところのコヨーテバンドからの流れね、彼の雰囲気を見てるとね、あと10年の間にもう一回ピークが来るんじゃないかなって気がちょっとするんです、予感として。このまま健康な状態で続けていって。なぜかというと声もまたすっごく戻ってきたでしょ。一時期ちょっと声が疲れてるなぁなんて思う時期があったんだけど、また艶が出てきてるし、そしてやっと30周年というひとつの荷物をね、ここで通過して折り返したっていうかね、なんか知らないけれど予感としてもう一回すごいピーク、何回目のピークかわかんないけれどね、ふふふ、くるような気がしますね。

・FLOWERS IN THE RAIN
銀次さんの1992年のアルバム『LOVE PARADE』で銀次さんが元春にお願いしてプロデュースしてもらった曲。「ふたりでニック・ロウとエルヴィス・コステロみたいにやろうぜ」と言って録音し直したヴァージョン。

・番組ウェブサイト
「番組ではウェブサイトを用意しています。是非ご覧になって曲のリクエスト、番組へのメッセージを送ってください。待ってます」と元春。
http://www.moto.co.jp/MRS/
コメント (2)
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