メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

真夏の夜のジャズ

2013-05-05 14:47:14 | 音楽&ライブ
最近の気になるトピックス。

わたしのすきなうた~Sing along with you~/Cana from Sotte Bosse 第2弾発売/祝
canaちゃん、双子のママになってからも頑張ってるね。透明で、スイートで、癒し系ささやきボイスは変わらずホッとさせてくれる



ブラサキ「スナック宇宙」動画公開/嬉
ウォーターメロンマン
先日のスナック宇宙でのブラサキ×カンザスシティバンドの動画がついにアップ!YES
マヂでかっちょいい



図書館で借りたCDシリーズ。

真夏の夜のジャズ オリジナル・サウンドトラック盤
これの映像版をずぅっと探していたんだけど、まだまだ見つからなさそうだから、CDを先に聴いてみた。
サッチモの♪Rockin' Chair は他のアルバムでも聴いたことがある名シーン
真っ赤な帽子をかぶって歌うアニタ・オデイのシーンは、動画などでも何度か見た気がする。

【ライナーメモ】
世界でもっとも有名で実績のあるニューポート・ジャズ・フェスティヴァルの実写映画(同タイトル)は、第5回、1958年のステージの記録映画。
『ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルはこうして始まった』(酒井真知江/著 講談社)に裏話がたくさん紹介されていて興味深い。
竹製のサングラスをかけてピアノを弾くセロニアス・モンク
♪All of Me ではダイナ・ワシントンもちょっとヴァイブを弾く。
最後を飾るのは、ゴスペルの女王マヘリア・ジャクソン
ゴスペルはジャズの影響を受けた黒人教会の音楽。


CLASSICAL 2010(2枚組)
クラシックの名曲ばかりを集めたコンピ。フィギュアスケートで使われる曲も多い。
リンク先にもあるライナーにもその旨がたくさん書いてあるから、
フィギュア人気でクラシックコンピが売れてるって噂を聞いたけど、そんな筋のアルバムかも。

【ライナーメモ】
HPにある通りだけど、気になったことの抜粋。
Disc1
#1は、NHKドラマ『氷壁』の主題歌に使われた。
#7は、映画ではモーツァルトを死に追いやったのはサリエリみたいに匂わせてたけど、真相は伯爵が自作として亡き妻の追悼に依頼したとのこと。なんだぁ。
#10の天平さんは、一時期、肉体労働をしていたピアニストって、Nakamuraさんと似た経緯の持ち主。
#14の愛実ちゃんは、14歳でCDデビューした天才ピアニスト

Disc2
#5のニュウニュウくんは、さらに若くて、EMI史上最年少契約の中国出身の天才ピアニスト
#11アリソン・バルサムさんは、バロックとモダンの両楽器を自在に操る英国人女性トランペッター。
#15シューベルトは31歳の短い生涯に600曲以上もの歌曲を書いた。


「ユニバーサル・レジェンズ・コレクション」モーリス・シェヴァリエ

先日借りたこのシリーズでD.ケイがとても良かったから図書館にあるだけ借りてみたv
この方は初めて知ったが、ライナーで読むかぎり、やはり素晴らしいエンタテナーなんだな。

【ライナーメモ】
幼い頃、アルコール中毒症の父は、妻と息子3人を残して家出してしまう。
兄らが生計を支える中、モーリスも13歳で初めてギャラをもらえる仕事にありつき、プロとしてスタート。
恋多き人でもあり、ふった女性フレエルはモーリスを殺そうと思うほど悩んで、自殺未遂を起こし、国外に出たという
40歳でハリウッドデビュー。アメリカ映画で活躍(『恋の手ほどき』とか観たなあ!

「もし俺が人様に言ってのけられることがあるとすれば、俺の才能は客との掛け合いさ。
 一人ずつに歌いかける気持ちっていうのかな・・・。可笑しなやり方だが俺なりの方法があって、
 舞台の向こうで俺を見てくれているお客に歌を売っているんだよ。親密感ていうのか友情間関係っていうのか、
 全部ひとまとめにしたものをやりとりしてるのさ」

トレードマークはカンカン帽。アメリカを征し、RCAビクターと契約。
いったんハリウッドを去るが、再び招かれる。「ワンマン・ミュージカルはどうかと考えてみた」
再び人気を得るが1951年に核兵器使用禁止および核拡散を求める嘆願書に署名したことで問題となる。
映画『GIGI』はモーリスの評判をアメリカ人の心に永遠に残す映画。


「ユニバーサル・レジェンズ・コレクション」ジュディ・ガーランド

ジュディは、主にミュージカル映画における演技力、スター性もさることながら、
一流の歌手、エンタテナーとして、こうして改めてCDで歌声を聴いていると
プロフェッショナルとは何ぞやという凄みを感じると共に、
時代に求められ、自身を見失い、47歳の若さで死んでしまった1人の女性としての人生に思いを馳せて、
一体どんな気持ちで1曲1曲歌ってきたんだろうと想像すると、なんともいいがたもの哀しさに襲われてしまう。

亡くなって久しい今となっては、それが彼女の運命だったと言ってしまうほかないけど、
映画創世記のスターには、今と全く違って、1人1人にそれぞれ壮絶な人生模様があったからこそ、
歌1曲、映画1本、舞台や芝居1本ごとに命をすり減らしたといってもいいくらいの本物の芸がそこにあって圧倒される。

【ライナーメモ】
1922年にヴォードヴィル芸人の両親の間に三女として生まれ、幼い頃から姉妹とともにステージに立つ。
MGMと契約したのは13歳、14歳でスクリーンデビューを飾り、人気を高めた。

17歳の『オズの魔法使い』でアカデミー特別賞を受賞し、名声を決定的にし、トップスターとして活躍。
名曲虹のかなたに についてジュディはこう言っていた。
「この曲は私の人生の一部になった。何度も何度も歌ってきたけど、それでもまだ心のすぐそばにいてくれる曲なの」
一方、かかし役のレイ・ボルガーは「ジュディは子ども時代を過ごせなかった子どもなんだよ」と話している。

ジュディは生きては伝説の人、死んでは偶像となった。
彼女の生涯を教訓として、たしか、子役の労働ルールが決められたりしたんだよね。

「ステージでの幸せは一晩も続かないし、ホテルの部屋に独りでいる恐ろしさからは守ってくれやしない。
 喝采の中で生きているともう魂はボロボロになってしまうの。
 真夜中になると拍手の渦が空しく響きわたって、お願い、私は朝までどうすればいいのって思うんだから」

1948年にアステアと共演した『イースター・パレード』の後から太り始めたのを苦にしてノイローゼになり、
『アニーよ銃をとれ』の役はベティ・ハットンに変えられてしまう。
1950年の28歳の誕生日からわずか9日後に自殺未遂事件を起こした。
ジュディは生涯に36本の映画に出演した(意外と少ないなあ/驚 なぜか日本未公開が多いんだな

バンバンの定番でもある明るい大通りで は、1930年からの恐慌時代の定番曲なんだ/驚
♪The Boy Next Door はおそらくジュディの最高級のバラード。
♪Blues in the Night は、別の女性歌手の印象が強いけど、ジュディverは新鮮だった。

「彼女はほんと子どもみたいに歌っていたよ。それに、彼女は年をとっていっても、
 別の方法で声を出してみようなんて何一つ努力してなかったね。
 喉を開いた、小鳥の鳴き声のような歌い方さ。
 澄んでいて、純粋な、通りのいい無垢な歌声なんだ」(ヘンリー・プレザント

「私は男の人と居ちゃだめなの。私は肺をもった声のでる箱にすぎないから」


この「ユニバーサル・レジェンズ・コレクション」シリーズには、ほかにもフレッド・アステア
ボブ・ホープ、ビング・クロスビーなどなどあるようだが、当区内の図書館には3枚しかなく、残念すぎ。

But Not for Me



気になった単語
ピアニスティック
フレージング
ラルゴ:音楽で使用される速度記号の一種。意味は「ゆるやかに」(だから「しろくまカフェ」のナマケモノさんはラルゴだったんだ
コロラトゥーラ:クラシック音楽の歌曲やオペラにおいて、速いフレーズの中に装飾を施し、華やかにしている音節のこと。具体的にはトリルが多用される。
ベルカント:美しい歌、美しい歌唱の意、声楽用語のひとつ。イタリア・オペラにおけるある種の理想的な歌唱法を指す。

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映画『白夜行』(2011)

2013-05-05 14:17:45 | 映画
映画『白夜行』(2011)
原作:東野圭吾 監督:深川栄洋
出演:堀北真希、高良健吾、船越英一郎、戸田恵子、田中哲司、姜暢雄、緑友利恵 ほか

「殺したのは、心。」

trailer

story

昭和55年。質屋を営む桐原洋介が廃墟ビルの中で背中を刺されて死亡しているのを近所の小学生3人が目撃する。
担当した刑事・笹垣は、被害者のズボンのベルトの穴が癖のついている場所よりズレていることに気づく。
桐原と不倫関係にあり、夫を亡くしてから金に困っていた西本文代のアリバイは「近所の公園でブランコに乗っていた」というもの。
文代には、日用品配達の若い恋人・寺崎もいたが、その後居眠り運転で事故死。
洋介の妻・桐原弥生子は、夫ととっくに疎遠で、質屋従業員・松浦と不倫関係にあった。

文代は殺人容疑をかけられてアルコール、睡眠薬、ガスで自殺する。
一人娘の雪穂は、その後、遠縁にあたる唐沢家の養女となる。
美しく成長してゆく雪穂の周りで不審な事件が続き、事件解決に納得がいかない笹垣は捜査を続け、
容疑者の娘である雪穂と、被害者の息子である桐原亮司との関係に疑問を持ち、2人の奇妙で悲しい運命を知る。。


ソシアルダンスのコーチである篠塚一成のセリフ。
「どんな人間に生まれても、結局いくつもの選択をしながら、自分の人生を決めていくものだよ」


堀北真希が「あさイチ」の視聴者からの質問に答えて悪女役もやってみたいと言っていた記憶があるけど、
今作の雪穂はある意味、悪女でもあり、また哀しい被害者でもある。
映画の勧善懲悪の法則を抜け出して、なにがほんとうの正義か悪か必ずしも線引き出来ない現実を描いた傑作。
まさに「アンフェアなのは誰か?」(って違う原作だけど
こんなダークな役も出来るってことを証明してみせた。

愛のない結婚式で、唯一、亮司に見せた素顔の笑みが今作の見どころ。
そして、ラスト「私は何も知らない」と言って放心し、
かろうじて保っていた意識を取り戻し、我に返って店に戻るまでの
表情の小さな変化が、さすがプロの女優魂を見せてもらったという圧巻の演技だった。

「母のようにはなりたくない」
動機の善悪はどうであれ、高く確固たる目標があれば、人って何でも出来て、何にでもなれるんだって妙に感心してしまった。
今作の場合、その方法は違法だったが、それをゆったら、これまでの長い歴史の中で
裏の世界と組んで成り上がった資産家や政治屋は掃いて捨てるほどいるだろうし。

その目的が揺るがなかったのは、
そもそも互いの幸せこそが互いを支え合って、2人で1人の陰陽として生きてきたから。
生命としては終わっても魂は1つなんだ。とてつもなく悲しい絆であったにせよ。


ドラマ版のヒロインは、綾瀬はるかみたいだから、そっちも見てみたい。
ドラマならもっと詳細な部分もじっくり描けるだろうし。脚色も多いだろうけど。

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