メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

映画『陽のあたる場所』(1951)

2024-09-28 15:51:27 | 映画
監督:ジョージ・スティーヴンス

出演
イーストマン家
ジョージ:モンゴメリー・クリフト エースの息子 父は亡い
ハンナ:アン・リヴィア ジョージの母
チャールズ:ハーバート・ヘイス 社長
アール:キーフ・ブラッセル 息子
ルイーズ:キャスリン・ギブニー

アンジェラ・ヴィッカース:エリザベス・テイラー
アリス・トリップ:シェリー・ウィンタース

フランク・マーロウ検事:レイモンド・バー
アンソニー・ビッカース:シェパード・ストラドウィック
ヴィーラント医師:イアン・ウルフ



ブログ内検索したら、2か所気になるメモがあった

シャーロック=ホームズ全集4 恐怖の谷 コナン=ドイル/著 偕成社
“1906年、NYの湖で妊婦の死体が発見され
恋人がボートを転覆させたと分かり電気椅子にかけられた
これを基にして『アメリカの悲劇』が生まれ
後に『陽のあたる場所』として映画化されてヒットした”

トルーマン・カポーティ『カメレオンのための音楽』(早川書房)
“「みんなはあたしに演技なんてできないって言うの。エリザベス・テイラーのことも。
 わかってないのよ。『陽のあたる場所』ではたいしたものだったわ」”


恋愛ものでもあり、サスペンスからの裁判劇も楽しめる1作


【内容抜粋メモ】
ヒッチハイクしているジョージ・イーストマン







「イーストマン社」の大きな看板がある
イーストマン社前で降ろしてもらう

社長チャールズからのメモを守衛に見せる
ジョージはチャールズの甥
チャールズ:教育はないが野心がある 工場で働いてもらおう

アンジェラ・ヴィッカースが入って来て惹かれる

アール:社員の9割は女性 社員間の恋愛は禁止
工場に案内してもらい、早速働きはじめる

1人で映画を観に来て、工場の女性アリスと会う

アリス:
玉の輿狙いだと思われる あなたはそのうち本部に異動になるだろうし
週に6日、水着を詰めてる
私は泳げない 家が貧乏でお金がいるの









酒場でもアリスと会う
ジョージ:イーストマン家には一度しか行ってない

雨が降り、アリスのアパートに来る
アリス:入ってもらいたいけど、大家さんがうるさいの



社長らが工場に来る

チャールズ:
ここにいるべきじゃない 昇進させるよ
来月15日にパーティーがあるからぜひ来なさい



パーティー
誰も知り合いがいないジョージは1人で玉突きをしていると
アンジェラが入ってくる
アンジェラ:1人が好きなの?
ジョージ:君のことを記事で読んだよ

チャールズはジョージの母に電話しろと強引
母:お前の部屋はそのままだよ 無茶はしないで
アンジェラ:今夜、ダンスに行かない? 誕生日なんでしょ
時間を忘れて踊る2人









夜、アリスのアパートに来ると4時間も待っていた
アリス:アンジェラはいた? 美人でしょ 許せないわ
ジョージ:2人の関係がバレたらクビだよ
アリス:怖いの 最初の夜を覚えてる?
アリスは妊娠したことを伝える








アンジェラが電話してきて、金曜夜のデートの約束をする

ジョージ:君を愛してる 会った時から

アンジェラ:
私も愛してるの コワイくらい
湖に来て 週末ならみんな集まるし



アリスは医者に会う
アリス:私の主人はお金がない 私も働かなきゃならない
医師:無料の病院もあるよ と説得する

アリス:本当は結婚してない! 彼に捨てられました
医師:両親に相談した上で通院するなら相談に乗りましょう と断られる

アリス:結婚するのがあなたの責任よ!

ニュース:行方不明うち5人は溺死です



湖でアンジェラとボートでデート
母:反対するほど熱が上がるものよ 様子を見ましょう

アンジェラ:
男女の水死体が上がったの
ボートが転覆して男性の死体だけ見つかってない







アリスは新聞でジョージがアンジェラと仲がいいのを知ってしまう

イーストマン一家と夕食
チャールズは管理職への異動を約束する

アリスから電話が入る
アリス:今すぐ迎えに来て! 30分で来ないなら私が行って全部話すわ!
母の具合が悪いからとウソをついて席を立つジョージ

アリス:アンジェラといたんでしょ? 明日式を挙げないと新聞社に全部話して自殺する!



2人は裁判所に来ると休館

ジョージ:
明日でもいいだろう?
この近くにルーン湖がある 新婚旅行にちょうどいい
そこで1泊してまた来よう

ガス欠とウソをつく
ジョージ:ボートを借りてピクニックしよう

ボートを借りたのは2人だけ
偽名をサインすると、この名前は2度目だと言われる







2人で暮らす夢を話すアリス

アリス:
誰も知らない町に引っ越して幸せな家庭を築きましょう
私に死ねばいいと願ったのね

アリスが興奮して立ち上がり、2人とも湖に落ちる
ジョージだけ岸に上がり、歩いて戻るとキャンプしてる男女に会い
ジョージ:道に迷った



フランク知事は若い夫婦が溺死という事件を聞く

湖で社員証が見つかりアリスの身元が分かる
管理人:男はクルマで逃げたんじゃないかな 夜9時頃に見かけたよ

ニュース:3人のボーイスカウトが男と話した



父:
アンジェラと結婚するつもりか?
私は君の素性を知らない

ジョージ:
家は貧しいし、家族は宗教活動に熱心でした
学校は13で辞めて働くしかなかった
まともな教育も受けていません
でも彼女をなにより愛しています 身分不相応でも

父:君は正直な男だ とにかく焦らないように

大家さん:若い男とデートしていた 名前はイーストマンだけどあの一族ではないはず

アンジェラのクルマも警官に調べられる
ジョージ:すごく疲れた ボクには君しかいない
寝落ちして「僕のせいじゃない」と寝言を言う







イーストマン家にも警察が来る
アンジェラ:もう会えなくなる気がする 私を見捨てないで!

あちこちでパトカーの音がしてる
森に逃げるジョージ

警官:君を逮捕する(早いな

ボーイスカウトがジョージだと証言する
ジョージ:ボクじゃない

フランク:誰も彼の二重生活を知らなかった?
父:彼が無実なら弁護士に金を払う 犯人なら電気椅子にかけられて当然だ

アンジェラは部屋で倒れる

ボートが転覆しただけなら殺しにならないのか?
イーストマンは死刑と記事になる
新聞を燃やすアンジェラの母

フランク:第1級殺人で告訴する
たくさんの人が証言する

弁護士:
問題は計画性の有無
彼は殺人をしてない
犯行を見た者はいない
唯一の目撃者で真実を知る人物はジョージのみ

ジョージ:
結婚前だったから偽名を使った
心の中に溺れて欲しいと思ったが、そんな自分がイヤになった
僕にはできっこないと気づいた
彼女は将来について話し、見込みがないと思い、責め始めた
別の女性との関係が壊れるのを心配していた
岸まで泳いだ時、もう遅かった

弁護士:不慮の事故だと言うんだね

フランク:
愛する女性、野望、夢を失いたくなかった
小屋から離れた所にクルマを停めてガス欠だとウソをついた
まだウソをつくつもりか?

ボートを持ち込んで再現させる
フランク:助けられたはずだ 溺れてる女性にオールをぶつけたんだ

陪審員の結論は、有罪

ジョージの母ハンナが会いに来る

ハンナ:
死を怖れてはいけない 魂は不滅なのだから
あなたが有罪なら、私にも罪がある

牧師:
君が話してないことがある
ボートが転覆した時、誰のことを思ってた? アリスか? 他の女性か?
君の心も死んだんだよ

アンジェラが面接に来る

アンジェラ:
ずっとあなたのことを考えてた
愛してるわ それを伝えたくて

ジョージ:
今分かった
僕は多くの罪を犯した
僕はもうすぐ死ぬ その後は忘れてほしい

アンジェラ:私たちさようならを言うために出会ったのかしら



死刑より、終身刑のほうがツライのでは?



コメント

ジュニア世界の文学 4 長かった週末 ホーナー・アランデル 学研

2024-09-28 15:28:30 | 
1970年初版 掛川恭子/訳 矢吹中彦/ケース・イラスト

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


子どもと大人の狭間にいるYA(ヤングアダルト)向けの一冊
他のシリーズも読んでみたい

教師の両親のもとで、理想的な教育環境に育って
“いい子”だったアイリーンが未成年で妊娠して
シングルマザーになることで、母の翼から旅立つまで
自分と母の関係を重ねて読んだ


【内容抜粋メモ】

登場人物
アイリーン 17歳の学生
ゲイ 3歳になる娘
ジョエル BF ゲイの父
フィオナ 親友



●1
アイリーンは3歳になる娘ゲイを連れて
親の友人の別荘へ週末旅行に出かける
バスに乗ると、おしっこがしたいと言い出すゲイ

母に育児を任せきりにしていたことを反省し
1人でもゲイを育てられることを証明しなくてはならない
実家を出て、アパートを探して、ゲイを保育園に入れて、働いて・・・

母の持論「子どもを自分の分身としてしか見てない親や祖父母にはガマンならない」

別荘に着いて、暖炉に火を入れ、ゲイを連れて店に行くと休業中
農家にミルクと卵を分けてもらい、夫が後から来るんだとウソをついた

母「ウソをついてはダメ 信じていることに自信を持たないと」



●2
だしぬけに妊娠したことを打ち明けると、両親はショックを受けたが
いつも通り、感情を理性で抑えて理解ある親の態度を崩さなかった

結婚するつもりもないと伝えると
母:どんな難題にも必ず解決の道はあるもの

友だちはいつも「あなたの両親は本当に素晴らしい」と羨ましがる
アイリーンは親にぶたれたり、脅かされたりしたことは一度もない

モーレイ・ハウス(エジンバラの師範学校)で教職課程をとるのを諦めるとホッとした
両親が代わりに考えてくれて、最上の解決策を見つけてくれるだろう

テニスをした後、再び親と話し合い、母は3つの道があると教える
1.堕胎手術を受ける 2.養子に出す 3.自分で育てる

母:
もちろん、できるだけのことはしてあげる
仕事のために資格をとらなきゃ
秘書養成コースなんかいいんじゃない?

両親ははじめからジョエルを好きじゃなかった
ジョエルは非まじめで、わざと反感を買うような言い方をした

アイリーンは自分で自分のことが決められない人間だが
今回はどうしても自分で決めなくてはならない

好きなタバコもアルコールも不味く感じて
妊娠したからだと驚き歓びがわいた
生まれてくるだけで完璧なもの 赤ちゃん!

アイリーンは自分で育てる決心を伝える



●3
ゲイはお風呂に入れようとしても拒み
「おばあちゃんがいい」と言ってアイリーンをイラだたせる
お尻を叩いて、布団に押し込み、後悔して泣いた

母:子どもをぶつのは、なまけ者の親がすることよ

母が「だから言ったでしょ」というのを抑える姿が浮かぶ
絶対に敗北を認めたりしない



●4
アイリーンは16歳の大晦日パーティーを初めて友だちだけで過ごしたいと伝える
親友フィオナは奔放な性格で、次々とBFを変えている

パーティーで初めて会ったジョエルはとても陽気な医学生
ジョエル:君の名前と電話番号を教えてよ 君こそボクの理想の女性だ

2人で庭に出て、キスをして、親に電話をかける約束をすっかり忘れてしまう



●5
寝る前にトイレに行くのを拒んだため、ゲイはおねしょをした
着替えさせ、お風呂に入れ、朝食を用意し、食べたら食器を洗い
食料を買うためにゲイを連れて3マイル歩き、雨が降り出した

ゲイが生まれなければよかったとは思ってない
いつかは扱い方が分かるようになるだろう

やっと12時半
娘が眠ってくれるまでの時間を指折り数えるとはひどい母親だ



●6
ジョエルはアイリーンの家に来るのを嫌がった
ジョエル:ボクは生命力のかたまりだし、君の両親はその生命を怖れている

両親「人間は分別のある人と、だらしない人に分けられる」
両親はアイリーンが分別があることをよく自慢していた

ジョエルはアイリーンに診療所でピルをもらうよう言う
ジョエル:安定したつまらない生き方をするのはやめよう

妊娠したかもしれないと思い、ジョエルが「あの薬を飲んでいるんだろう?」と囁いた時
診療所に行くのを延ばしていることを言えなかった

結婚話をしたら、すごく腹を立てるかもしれない
でも、責任をとってくれるだろう

ジョエルは30歳になるまでに王立外科学会の会員になるつもりだと打ち明けた

アイリーン:私、赤ちゃんができたの

ジョエル:
なんてバカなことになったんだ
結婚するつもりさ 君がそうしたいならね

アイリーン:
だれがあんたと結婚するもんですか 二度と顔も見たくない!
人でなし! ユダ公!

アイリーンは初めて感情を爆発させて、ジョエルを叩いた



●7
アイリーンはゲイに買収と脅迫を交互に繰り返していた
ゲイはポテトを食べずにお菓子を食べた
タンパク質抜きの食事でどれだけ健康でいられるのか?

ジョエルがやって来て、ゲイの面倒をみはじめる
ゲイ:ジョウにやってもらうの

アイリーンは嫉妬と不公平と思う気持ちで煮えくり返る
小さな女の子はみんな父親に媚びを売るものだ

ジョエル:話をしよう ずっと君のことを考えていた
アイリーンは男の手を借りる必要はまったくないフリをした



●8
ゲイが生まれた時、突き刺すような孤独感を感じ、自分だけの殻に閉じこもった
友だちとの間に深い溝ができたと感じた

両親は虚勢を張って、友人たちに娘の立場を話して周った
母:初めての孫を楽しみにしてますの

「ボクにも責任をとることを・・・」と書かれたジョエルからの長い手紙を封筒に戻して返事は出さなかった

意外にも母は溺愛型おばあちゃんになった
アイリーンが育児に途方に暮れて泣いていると、母が助けてくれ
次第に主導権を握っていった

母は教師を休業し、アイリーンに小遣いを渡し
ゲイに必要なものはすべて買ってくれた
母:私を乳母として雇ってくれればいいのよ



●9
フィオナに誘われて、映画『ドクトル・ジバゴ』を観に行く(!
相手のロバートはジョエルと全然似ていなかった
キスを求められて拒み、ワケの分からない嫌悪感に身震いした



●10
どうしてあんなにジョエルに腹を立てたのだろう?
両親の前で押し殺していた感情を吐き出しただけじゃなかったか?

父:
ゲイを養女にしてもいい
お前は働きだして、ずっと幸せそうになった
お母さんはゲイをとても愛している
あんなに夢中になるのを見たことがない

アイリーンはなにか違和感を感じて、週末旅行を思いついた

ジョエル:
君は優等生すぎるよ 時にはもっと人間らしいほうがいいんだ
好きなだけ腹を立てて、よかったらまた殴ってもいい
君のお母さんは、君に自分の手でどうするか決めさせるべきだったんだ
僕と結婚させたくなったのさ

アイリーンは診療所に行ったとウソをついたこと
手紙に返事を書かなかったことを謝る



●11
2人は和解する
これからはどんなことも2人で決め、責任も分かち合うのだ

アイリーンは母に電話する
アイリーン:私たち結婚することにしたの

3人で実家に帰ると、居心地悪い思いをする
ジョエルは両親に話して、家族でアフリカに旅行する計画を話す



●12
シンプルな結婚式を挙げた

両親の寝室から母の泣く声が聞こえる
母:私はあの子を愛しているのよ あの子が行ってしまうなんて耐えられない 助けて!
“あの子”とはアイリーンではなく、ゲイのことだと気づく

「他人に苦痛を与え得ると悟った時に大人になる」という言葉を思い出す
アイリーンは今大人になろうとしている
母の傷を癒す手助けができるのは父だけだ

ロンドン行きの夜行列車に乗るアイリーン、ジョエル、ゲイ
アイリーンは仕事を辞めて、医者の妻になるのを嬉しく思う




あとがき
母と子の関係は、親子であると同時に
同じ女という性で結ばれた永遠のライバルでもある
その屈折した戦いの姿を巧みに描き出している

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