わが国の庶民レベルでの性差はいつごろから始まったのだろうか。江戸時代には確実にあったように思われますが……。
「七五三」のblog(https://blog.goo.ne.jp/skeletonsima)で言及したように、女性への扱いが“ぞんざい”過ぎているように思えます。
そんな時、朝日新聞の日曜版で書籍を紹介しているページがあり、「性差の日本史」とタイトルされた新書がありました。早速どんな事を書いているのか興味津々で、Amazonで注文をし購読しました。
書名:性差の日本史〔新書判〕
著者:国立歴史民俗博物館 監修
発行所:株式会社 集英社インターナショナル
初版発行日:2021年10月12日
ジャンル;ノンフィクション/思想社会
監修:国立歴史民俗博物館」についてAmazonでは次の様に紹介しています。
千葉県佐倉市の佐倉城址にある、日本の歴史と文化について総合的に展示する博物館。通称、歴博(れきはく)。「大学共同利用機関」として、歴史学・考古学・民俗学と関連諸科学の連携による共同研究を行い、その成果を展示や出版物などで広く公開している。
2020年秋に開催された企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」は、2016年から3年間かけて行われた共同研究の成果を発表したもの。
4世紀前半、熊本県の埋葬に女性首長があって、このとき副葬品として武器や武具があり、男性首長とは異なり女性首長の場合は棺の外に置くようにしていたと思われます。
貞節は寛政の改革で松平定信が道徳などを奨励したとのことです。
この本は、物証的に・歴史的に性差が発生したのは何時頃か分かろうとしています。
この本の大前提は、性差があってはならないということだと思います。
歴史的には、中世には男系中心の社会が確立されましたが、女性は自らの財産やその処分権を持ち、宗教においても主体的に行動していました。
つまり、中世より前の時代、いろいろな言い方がなされると思いますが、古代・上代においては男性中心の社会は存在しなかった=性差はなかったということになります。平安時代は別かもしれません。
では、中世とは日本では(日本史的には)何時代を指しているのでしょうか。
つまり、極論的ではありますが、実質的に統治している武家の社会になってからということになろうかと思います。
性差は決して悪いことだとは思いません。男女の肉体的・精神的特性によってその扱いを分けようとするものだからです。ここに、ハラスメントが載ってくるからややこしい。近年では見かけの他に個人個人がどう見られているか、即ち個々人の精神的な問題が絡んでき、そのことに思いを寄せない人、“男”が多いからだと思います。
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〇 七五三