今、筒井康隆氏著作の「時をかける少女」の<新装版>と石山透氏著作の「続・時をかける少女」の<復刻版>を読んでいます。
書名:時をかける少女<新装版>〔A6判;文庫本〕
著者:筒井康隆
発行所:株式会社 KADOKAWA
初版発行日:新装版;2015年5月15日
(盛光社;1972年、鶴書房盛光社「ジュニアSF」シリーズ 第5巻)
ジャンル;文学/SF・ファンタジー
書名:続・時をかける少女〔4×6判;単行本 1972年 鶴書房盛光社〕
(詳細は「続 タイムトラベラー 演劇版」を参照)
著者:石山透
発行所:株式会社 復刻ドットコム
初版発行日: 2011年5月5日
ジャンル;文学/SF・ファンタジー
これらの作品は基本的にアインシュタインの「相対性理論」をベースにしているようです。
書名:相対性理論を楽しむ本〔A6判;文庫本〕
-よくわかるアインシュタインの不思議な世界-監修者:佐藤 勝彦
発行所:PHP研究所
初版発行日:1998年12月15日
ジャンル:科学/理論物理学
例えば、次のような記述があります。「時間が……止まったのね……」「と、いうよりむしろ、時間が前進するのと同じ速度で、ぼくたちふたりが時間を後退しているといったほうがいいだろうね。…」
また、「続・時をかける少女」の著作者は石山透氏となっていますが、その「まえがき」で筒井康隆氏が「この『続・時をかける少女』は以前私が書いた「時をかける少女」の続編です。もし私が書いていたりしたら、この本がでるのは一年も二年も先になっていたことでしょう。「時をかける少女」にくらべると、ずっとSF的でストーリーも複雑になり、小学校高学年から高校生まで文句なしに楽しめるジュニア小説になっています。」と言っています。
「時をかける少女」は筒井氏の作品では珍しい、正統派少年少女向け小説であったようです。
この本には、「時をかける少女」、「悪夢の真相」、「果てしなき多元宇宙」等が掲載されている他、“あとがき”として江藤茂博氏によって書かれた「『時をかける少女』のフィギュール(キャラクター、構成等)」が掲載されています。
「時をかける少女」は1983年の映画のパロディであり、同年に書かれました。映画を演じる役者の作る虚構の世界と、現実に学校社会で起こる生徒の問題を絡ませ、役者たちの虚構の世界が現実世界に飲み込まれていく様を描いています。後に筒美京平氏は「ライト・ノベルを書いた日本で最初の作家だ。『時をかける少女』の40年前だ」と豪語しています。
映画の「時をかける少女」は1983年(昭和58年)7月16日公開が初めてで、主演は第7回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した原田知世、大林信彦監督によるものでした。筒井康隆のジュブナイルSF小説『時をかける少女』の最初の映画化作品でした。撮影は大まかに分けると、スキー場(上越国際)、スタジオ、尾道という順番で行われました。
20世紀に生を受け、青春時代を過ぎ、現役時代を通過し、初老の域に達した。気が付けば21世紀になっていました。
そんな自分にとって「時をかける少女」は興味深い内容になっています。
原田知世さんの歌声が聞こえてくるようです。
【関係サイト】
〇 筒井康隆<Amazon>
〇 筒井康隆|著者プロフィール|新潮社
〇 石山透(Wikipedia)
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