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うたのイラスト(「天使のスキャット」)

由紀さおりさんは昨年再ブレイクして、
大ヒット曲「夜明けのスキャット」も再び脚光を浴びた。
そしてここで取り上げた「天使のスキャット」のカップリング曲、
「タ・ヤ・タン」が、再ブレイクのきっかけとなった曲であることも
広く知られることとなった。
しかし、このA面曲「天使のスキャット」の素晴らしさについては
あまり語られていないような気がする。
「夜明けのスキャット」の二番煎じだ、というような心無い評価もあるようだが
とんでもない話である。
私は、「天使のスキャット」は「夜明け〜」のさらに先へ突き進んで、
かつてない領域まで到達した、稀有な名曲であると思っている。
この曲には、スキャット(というかハミングというか)部分以外の歌詞が、
ほんのわずかしかない。
しかしそれは、内容の貧しさを表わしているのではなく、
むしろ楽曲と歌唱の輝かしさが、言葉を圧倒して、
そのまばゆい光の中で、数少ない言葉が、
まるでパピルスに残された古代ギリシャの恋愛詩の断片のような趣を示しているように感じられてならないのである。
ギリシャと言えば、この曲はギリシャで開かれた「歌のオリンピアード」で最優秀歌唱賞を受賞しているそうで、
その時の記憶がギリシャ人の脳裏に残っていて、ギリシャでもアルバム「1969」がヒットした要因になっているのではないかという説もあるようだ。
確かに、ギリシャに似合う曲、かもしれない。
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