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旅行記、世相独言

熱い熱いモンブラン -ジュネーブ&シャモニー-(異文化体験8 アルプス山麓の旅4)

2010年10月03日 11時52分42秒 | 異文化体験_西欧
(写真はクリックで拡大します)


熱い熱いモンブラン -ジュネーブ&シャモニー-  1986.9.18~20


 Aiguille du Midiから見たシャモニー渓谷(Wikipediaより)


 一夜明けてボウ・リバージュホテルの部屋からは、依然として厚い雲に覆われたレマン湖が目の前に広がっている。午前8時にMontour社のバスターミナルに行って、モンブラン行きの日本語ツアーバスの予約を確認。大丈夫、30分後にバスが来るから待っていろとの返事。135フラン払ったのだから天気よ、どうぞ回復しておくれ!

 ほぼ定刻に来たバスに乗り込むと何と車内はホテルピックアップされた新婚さんばかり。小生一人が浮いている。しかし、色んな組合せがあるものだ。見ているだけで面白い。中には不倫カップルと思しきものも。しかし楽しくお喋りしているカップルは少なく、皆さんお疲れなのか眠ってばかり。

 シャモニーに近づくと雲が霧散し青空が。車内は大歓声。

 テロ問題で心配していたビザは結局不要でパスポート・コントロールだけでフランスに入国。高度を上げてバスがシャモニーの町に近づくと覆っていた霧が何と瞬く間に霧散し、お日様が顔を覗かせる。期せずして大歓声と拍手がわき起こる。

 
(左)シャモニー-エギュイ・ド・ミデイロープウェイの切符       (右)2800mを20分でかけ上がるロープウェイ

 標高1035mのシャモニー(Chamonix)の町から2台のロープウエイを乗り継ぎ、標高3842mのエギュイ・ド・ミデイ(Aiguille du Midi)に何と20分で到着する。2800mの高度をわずか20分でかせぐため、気分を悪くする乗客も多いとか。あっという間にシャモニーの町が小さな点となり、ロープウエイの横にはGlacier des Bossons氷河が荒々しく牙を剥いて横たわっている。この氷河には今直、沢山の遺体が呑み込まれており、100年後に孫が自分とほぼ同年代のお祖父さんと対面というようなことがしばしばあると言う。

 
(左)モンブラン周辺のMAP いく通りものアクセスルートが  (右)シャモニーまで続くGlacier des Bossons氷河

 Aiguille du Midiから晴れ渡った青空に真っ白な積雪を頂いたアルプスの峰々が、180度の展望を楽しませてくれる。とりわけ標高4807mのモンブラン(Mont-Blanc)は女性的な丸みを帯びた稜線を見せながら、手に取ることが出来るような間近さで一段と美しく太陽に照り輝いている。真空の中にいるのではないかというような錯覚をおこさせるこの静けさは、学生時代によく登った日本アルプスの山々を脳裏に呼び起こす。

 
(左)Aiguille du Midi(3842m)登頂証明書(要料金)   (右)アルプスのパノラマ

 
(左)間近に迫るモンブランの威容(中央お椀形)     (右)ロッククライミングを楽しむ人たち

 シャモニーに再び降りてツアー全員での昼食。遠慮して一人で食べようと少し離れた席につくと一組の新婚さんがこちらで一緒にと勧めてくれる。新妻さんが「これからロンドンに行くのだがどこが良いか?」と亭主そっちのけで話し掛けてくる。亭主の嫉妬を買わない程度に楽しく昼食を済ませる。独り旅の小生にとって「夕食もご一緒に?」と言いたいところだが、そういうわけにも行かず「楽しい旅を」でバイバイ。それにしても海外慣れした新妻と初渡航の旦那では、自然と主導権は新妻が握ることに、そして実生活でもそのまま延長線に・・・ということになるのかなあ。

 快晴のシャモニーの街

 快晴のシャモニーからジュネーブに戻る。レマン湖の大噴水が薄曇りの空に150mの水柱を放っている。噴水の直下に水煙を浴びながらの見物である。マルシエ通りとローヌ通りに囲まれた繁華街をうろつく。カウベル、アーミーナイフ、スイスチョコ、それに今回の旅行からコレクションを始めようと思うオルゴール等をショッピング。街頭のカフェテラスに多くの市民が憩っている。スイスパンのサンドウィッチを買って、その中に混じって寂しい夕食を始めていると、南米から来たフォルクローレを演ずるグループが賑やかにギターと笛、太鼓で演奏を始めた。寂しい夕食は一躍コンサート付きデイナーに変身である。

 
(左)レマン湖の大噴水(とても真下には行けない) (右)寂しい夕食を楽しくしてくれたフォルクローレの演奏家たち

 街が美しいジュネーブ(後はボウ・リバージュホテル)

 一旦ホテルに戻り、なかなか暮れない夜を持て余すように、再び街に出て反対側のモンブラン通りを中央駅の方に歩く。沢山のカップルが時計屋の店先でウインドショッピングをしている。こんなことなら昼間の新婚さんを食事に誘えばよかったかなあ。一人旅の寂しさが深夜まで堪えるジュネーブ。そうだ、絵葉書でも書くか!




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