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旅行記、世相独言

平城遷都1300年祭とキトラ四神

2010年06月10日 15時25分49秒 | 異文化体験_日本
(写真はクリックで拡大します)


平城遷都1300年祭とキトラ四神  2010.6.2


  
 (左)マスコットの「せんとくん」               (右)会場マップ

 大阪を出た近鉄奈良行き電車が1300年前の都城「平城京」跡を横切って走る。今日もだだっ広い宮跡に、修学旅行生たちや年配の団体客が訪れている。何もない広い空間では、このところのにわか暑気で熱中症で倒れる人も増えているとか。


 
     (左)朱雀(すざく)門                 (右)大極殿(正面44m、側面20m、高さ27m)

 第一次大極殿と朱雀門の威容が、ここが1300年前の都であることを知らしめている。
大極殿には高御座も再現され、大極殿の前庭では朝鮮半島や大陸からの使節らとの交流絵図が頭に去来する。今は何もない朝堂院から朱雀門に至る空間も、かつては9000人の役人達が働いていたようだ。


 
 平城京跡資料館展示物 (左)顔を書いた土器 (右)道具類、右下:役所地区出土の「うんち」とトイレット棒

 会場北西隅に、平城京跡資料館がある。ここで出土した様々な遺物が展示されていて、古代人の生活様式がよく理解できるお勧めの資料館である(無料)。中には古代人の落書きや「うんち」まで展示されている。


  11時と14時半に開催される「あをによしパレード」

 会場南門広場には、女性に人気のある天平衣装貸出所がある。300円で天平人に変身出来るとあって、結構多くの女性達が天平衣装で宮跡を闊歩している。男性用もあるが、着用している男性は少ない。
また、会期中「衛士隊の再現」や「あをによしパレード」といったイベントが毎日2、3回
行われて、来場者の目を楽しませている。



  
(左)古代畿内要図(難波宮,藤原京,平城京,長岡京,平安京) (右)キトラ古墳石室の様子

 午前中、平城京跡を見学し、午後からはキトラ古墳から出土した四神壁画を見に奈良文化財研究所飛鳥資料館に向う。2006年から毎年開催されてきた四神壁画の順次公開も、今年は朱雀が加わって四神全部のお披露目となった。

 
  (左)北側を守る黒い神獣「玄武」   (右)西側を守る「白虎」(頭を北に向けている)

 
 (左)東側を守る「青竜」            (右)南側を守る赤い鳥獣「朱雀」

 平城京は1300年祭で賑わっているが、ここ飛鳥はそれより100年前の都、藤原京があった所。言わば今年は「飛鳥1400年祭」と言ってもおかしくない。「飛鳥時代」には仏教を初め様々な文化を渡来人がもたらした。その代表格が高松塚古墳とキトラ古墳の極彩色の高い技術で描かれた壁画。

 残念ながら発見時の状態を維持出来ずに、貴重な文化財がずいぶん変わってしまったが、関西の関係者の必死の努力で何とか後世に伝えられるよう手入れが行われている。


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1 コメント

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Unknown (ebisu321)
2010-06-10 16:30:15
橿原で開催中の「大唐皇帝陵展」がまた素晴らしい内容の特別展でした。玄宗皇帝の兄李憲の恵陵から出土した跪拝俑や哀冊のほか、李スイ墓出土の金工技術の粋を尽くした銀器や銅器など、華やかな唐の文物を身近に見ることが出来ました。西安の歴史博物館でも見ることは出来ないものだそうです。恵陵に描かれた青龍と白虎を、キトラ古墳のものと比較すると本場のスケールの大きさに圧倒されます。なお25歳の若さで亡くなった李スイ墓は未盗掘で、朱書きの珍しい墓誌が出土しています。因みに李スイには産着を着た赤ちゃんがいたそうですが、産後のひだちが悪かったのでしょうか。李ヨウ墓の壁画は、躍動的な馬と人物の瞬間的動きを、手馴れた筆使いで描いた馬球図です。中国古代のポロ競技と思っていただいたらよいのですが、必見の壁画です。政治をほったらかして馬球に熱中した皇帝もいたそうです。この壁画は唐の名だたる画家が描いたに違いありません。見るものを惹きつけます。
 唐代史はもちろん唐墓に埋葬された人物の生きた背景など、本当に大唐帝国の高い文化を感じることが出来る展示でした。これは必見ですよ
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