めざまし時計

2013-07-27 17:35:03 | 物語

もし、あいつの時計の音が、ぼくのより

すてきな音だったら、どうしよう。

でも、ぼくの音だって、リリリーンとご主人さまは、

気にいっていると思うし。

一晩じゅう、眠れないで、タッタとがんばった。

まあーあいつも、がんばっているみたいだ。

となりどうしに並べられた、ぼくたちは一度も

しゃべることなく、朝がきた。

ぼくのほうが、3秒先にリリリーン!

いつものように、ご主人さまは、やさしく止めてくれる。

よっしゃあー。勝ったのかな?

あいつのほうは、チチチ、チチチと、聞いたことのない音だ。

しばらくすると、なんとまた、鳴っている。

3回鳴ったとき、ご主人さまは、やっと止めたようだ。

ぼくらは、並んで、ちょっと横目で、お互いを見た。

あいつが見ている。

そして、あいつ、なんていったと思う。

白いあいつは、いつまでも、いっしょにいられるといいね。って、

ちょっと、照れたように言った。

 


めざまし時計

2013-07-27 17:33:51 | 物語

ある日、ぼくにライバルあらわる!

ご主人さまの気まぐれで、新しいめざまし時計が、やってきた。

ぼくは、黒いけど、そいつは金色だ。

ちょっと、光ったりするし。

金色の時計の秒針は、白い。

ぼくは、みかん色。

ぼくのほうが、かっこいい。

だけど、そいつの12や6の数字が、ぼくと同じ

みかん色をしていたので、気にくわない。

ご主人さまは、どうして、新しい時計をつれてきたのか?

そして、対決の日。

ご主人さまは、夜の寝床で、2つの時計を同じようにして

6時にベルが、鳴るようにして、寝てしまう。

ぼくとあいつ、どちらが早く鳴るのかは、ぼくにもわからない。


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2013-07-27 17:14:14 | ツイッター

ふだんは、暗い部屋でもくもくと、まわりつづける秒針の

ビョウくん。休みたいけど、休めない。

たまーに休めるのは、電池が切れたときと

ご主人さまが、ぼくを転がして、電池が飛び出したときくらい。

ほかの時間を示す短い針と、長い針は、

ぼくより、えらそうだ。

ぼくみたいに、タッタと動かなくても、なんだか楽しそうにしている。

それに、12が一番上で、6が一番下だ。

12個の数字たちは、なんと、動くこともない。

でも、柱時計や掛け時計よりも、ぼくは、たぶん、大事にされていると思っている。

朝と晩、ご主人さまのあたたかい手が、ぼくを包むから。