米沢、山形、尾花沢を潤した最上川は、新庄で西に向かいます。コメや紅花、上方の文物などを積んだ川舟が行き交い、芭蕉が訪れた昔をしのびます。
最上川が大きく蛇行して流れを変える新庄市本合海(もとあいかい)に、2人の像は立っています。
腰を下ろして笠をひざに載せた芭蕉と、傍らに控える曽良。1689(元禄2)年3月27日(旧暦)に江戸を立ち、「奥の細道」の旅に出た芭蕉は新庄で2泊した後の6月3日、ここから舟に乗って最上川を下りました。好天でした。
五月雨(さみだれ)をあつめて早し最上川
有名な句が生まれた船旅を記念する像です。句碑も向かいにあります。新庄駅から車で国道47号を西へ10分ほど走った所です。
さらに川沿いに国道を5分ほど下ると戸沢村。右手に江戸時代の戸沢藩船番所を復元した建物が見えてきます。草薙(くさなぎ)温泉まで、12キロほどを約1時間かけて下る「最上川芭蕉ライン舟下り」の乗船場です。
芭蕉の時代と違い、船はエンジン付きになりました。5年ほど前から女性船頭も活躍しています。
長井廉