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八ヶ岳南麓の高原で暮らす都会からの移住者たち。東京から移住して「森のレストラン」という飲食店を営む秋津夫妻のある朝のこと、蛇口から流れる水が薄茶色に変じていた。それをきっかけに、当たり前だった日常が徐々に崩壊していく。その日から、彼らの生活から水が消えた。やがて近くで地下水を大量に汲み上げているミネラルウォーターの取水・販売する企業と戦おうとするのだが・・・。地下水は誰のものか?ミネラルウォーター税とは?水源涵養とは?日本の水資源を狙う外資系企業、水道の民営化・国有林野管理経営法改正案ってなど、知らないことがストーリーを通じて明かされる社会派小説です。南アルプス山麓に居を構え、執筆の日々を送っている著者だからこそ描くことが出来た小説です。
水はカネのあるところへ流れる「世界が水を奪い合う日・日本が水を奪われる日」(橋本淳司)
2019年11月光文社刊
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