読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

福田和代著「キボウのミライ S&S探偵事務所」

2019-08-14 | は行

前作「S&S探偵事務所 最終兵器は女王様」の続編。出原しのぶと“スモモ”こと東條桃花の南青山の雑居ビルに屋号を掲げる「S&S IT探偵事務所」。2人は訳あって防衛省と警視庁を追い出された手段を選ばない敏腕ハッカー。そんな彼女たちのもとに防衛省の元同僚が昨今話題のマルウェアの新種“キボウ”の調査依頼にやって来る。叉階下の行きつけの純喫茶「バルミ」のマスター、デラさん(小寺恒夫)のもとには警察がやって来る。謎が多いデラさんだったが、実は七年前に愛娘「和音」を誘拐された過去があったのだ。サイバー空間を荒らす奴らと、再び動き出した誘拐犯の正体を突き止めるため、ふたりは調査に乗り出すのだが。・・・・

2人をはじめ事務所に関わる登場人物がどれも個性的魅力的。公安の捜査のやり方は疑問が起こるが罪の無い7歳の女の子が可哀想。まだまだ続編が期待できそう。「加害者・被害者・・・どの瞬間を切り取るかで私たちは善にも悪にも被害者にも加害者にもなれる。私たちは断面の連鎖を生きているんだ。」「憎しみと怒りに曇った目では・・・心から楽しい気分にさせられない気がする。ここから先どの断面を切り取っても私は・・・被害者にも加害者にもなりたくない。」(P274)

20194月祥伝社刊


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