四方を海囲まれた日本。日本の危機は海からやって来る。今まで、海上保安庁が機密保持のために長らく秘匿してきた実在の隠密部隊スペシャルフォース「SST」の活躍を描いた海洋アクション小説。沖ノ鳥島沖で、中国の密猟船が突然自爆して海に沈む。さらに大量破壊兵器の調達に関わる男がクルーザーから謎の失踪を遂げ、数百名の乗客を載せたカーフェリーの爆破予告と、やがて豪華客船がシージャックされた報告が届く。この一連の出来事が一つに繋がった時、・・・。未曾有の危機に立ち向かう海上保安庁の特殊部隊「SST」を待ち受けていたのは、想像を絶する国際的陰謀だった。この国の取り巻く国際情勢は中国、ロシア、朝鮮、台湾、米軍と複雑化、開戦の大義を与えない為軍隊である自衛隊が対応できない事案を国交省管轄の海保が担当する設定は納得が行く設定ではあるが。特殊な言葉が飛び交う軍事作戦さながらの展開は登場人物の人物描写が中途半端で感情移入できず大きな感動にはなりませんでした。
「軍はピースキーパーにはなり得ません。それどころか戦争を導く。ゆえに我々、ピースキーパーたるSSTしかありえません」(P235)
2024年9月幻冬舎刊
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