2016年、ペルーのシウラ・グランデ峰。山岳カメラマンの真山道弘は単身で峰を登っていた。10年前、氷河のクレバスに落下しまま置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えに来たのだ。「長い間待たせて悪かったな」クレバスの底に降り立ち、樋口を発見した真山だったが、その遺体を前に驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついてしまうはず。しかし、樋口は明らかに10年前より年老いていたのだ。「まさか、樋口はあの時生還していたのか? ならばなぜ連絡をよこさなかった?そしてなぜ同じ場所で命を落としている?樋口、お前は一体何をしていたんだ?」親友が過ごした、謎に包まれた“歳月を真山が辿る。
山男の心の絆が描かれて面白かったがミステリーとしては途中で真相が予想できてしまった。重要な役目の榊や宮崎含め生い立ちや心理状況生活感などモッと掘り下げられておれば深みが出たのに残念。
2016年9月講談社刊
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