昨年10月から検討中だった喜望峰Finale太管セイヤーバルブ・テナーバストロンボーンを遂に購入しました。5回にわたり試奏し、ようやく購入を決断。最初喜望峰Finaleトロンボーンを試奏した時は、今まで何年間もずっと使っていたシャイアーズとの吹奏感の違いのため、少し違和感を感じてしまい、楽器の善し悪し自体の判断にも迷う感じだったのですが、3ヶ月の間試奏を繰り返して、ようやく楽器の良さがわかりました。
ずばり、これは素晴らしい楽器です。見た目がエドワーズそっくりのため、最初は完全コピーモデルかと思いましたが、よく見ると細かい部分の仕様は微妙に違っていて、完全コピーではないようです。しかし、吹奏感、音色はまさにエドワーズそっくり。以前、何度か知人のエドワーズを吹かせてもらった事があるのですが、僕の記憶が正しければ、ほとんど差を感じません。しかも価格はエドワーズの4分の1以下。参りました。。。
中国の管楽器製造技術も遂に米国に追いついてしまったようです。
中国製というだけで、「ラッカー大丈夫?」「バルブの精度は?」「スライド動くの?」という質問をされますが、この喜望峰Finaleトロンボーンに関しては、それこそ仕上げと精度の高さで定評のあるヤマハとほぼ同レベルと言っても良いでしょう。
イエローブラス製のマウスパイプが標準で3本付いているのですが、スターリングシルバー製はこのメーカーでは作っていないため、エドワーズ製のパイプを別途購入しました。ただ少しサイズが合わないため、テープを巻いて適合させました。写真の下が純正のパイプ、上がエドワーズ・カスタム・スターリングシルバーT2アレッシ・モデル。純正のパイプでも素晴らしいんですが、シルバーのパイプに変えると、更に密度の濃くて伸びのある音が出しやすくなります。気分はアレッシです。しかし、このエドワーズ製パイプだけで楽器本体の3分の1近い値段。なんともアンバランスな価格構成の組み合わせです。
写真左が喜望峰Finale、右がシャイアーズです。メインで使っているシャイアーズのサブとして購入した喜望峰Finaleですが、吹きなれてくるうちに、喜望峰Finaleの方が心地よく吹けるように感じてしまい、どうやらメインとサブが逆転してしまいそうです。もちろんシャイアーズは骨太な重厚なサウンドで素晴らしいんですが、普段主に細管トロンボーンを吹いている者にとっては、鳴らし切るのが難しい楽器でもあります。その点、喜望峰Finaleの方が軽くコントロールしやすいので、細管テナーとの持ち替えも容易な感じです。しかし、シャイアーズの5分の1程度の値段しかしない喜望峰Finaleの方をメインにするというのも、なんとももったいない話ですが、吹きやすいのですから仕方ないですよね。
とにかく、この喜望峰Finale太管セイヤーバルブ・テナーバストロンボーン、絶対にお薦めです。決して広告、宣伝ではありませんよ(ましてやアフィリエイトなどでもありません)。僕自身が本当に良いと思うので、お薦めいたします。
ただ残念なのは、喜望峰さんの方ではあまり広告、宣伝活動をされていないので(だからこんな低価格で提供できるのでしょうけどね)、こんな素晴らしい楽器にもかかわらず、知名度がとても低いという事(ネット上では少し評判になっていたり、一部のプロの間では評価が高いのですが)。僕の知人とかにその素晴らしさを話しても、最初は「中国製楽器」というだけで、疑いの目で見る人の方が多いようです。でも、最初疑っている人でも一度実際に試奏すると、認識を改めるようですけどね。
米国の大手管楽器メーカーの中には、買収に次ぐ買収で工場のストが長引いて、まともに楽器を供給できず品質の落ちているメーカーもあるようですし、他の工業製品でも生産の拠点を中国に移しているように、これからは中国が管楽器製造大国になりそうですよ。
超低価格で高品質の楽器を手にいれる事ができる。素晴らしい事じゃないですか。
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マスター
satonu
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