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福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

ゲキ★ヤス1万円きっぷの旅[1-3]2つの観光列車で歴史遺産を走る

2010年02月06日 |  □鉄道ジャーニーBlog編
 吉松まで乗るのは、肥薩線の観光列車「いさぶろう」。普通列車ながら、沿線各駅で見学時間を取りながら肥薩線の歴史を学べる、正真正銘の観光列車である。3年ぶりの乗車だが、列車の好評を受けて車両の増備が行われており、暖簾がけの身障者対応トイレがお目見えしていた。今日は2両編成だが、最大で3両編成にまでなるようだ。1両でもガラガラだった時代を知る者には、隔世の感がある。

 普通列車らしくボックスシートであるが、木で仕上げられた車内はどこか居酒屋風。展望スペースで同期とビールを傾けていると、久留米市内の角打ち(立ち飲み屋)にでもいる気分だ。ただ窓の外に展開する風景は角打ちのそれではなく、山々に囲まれた自然一杯の風景。明治の技術で作られた古い鉄道施設で、次第に高度を稼いでいく。

 最初の停車駅は、大畑(おこば)。ホームに降り立てば素晴らしい冬晴れで、空気がうまい。駅舎の中は訪問者が貼っていった、おびただしい数の名刺でいっぱいである。列車本数の少ない人吉~吉松間の各駅は、列車での訪問が難しかったが、「いさぶろう・しんぺい」のお陰で手軽に訪ねられるようになったのが嬉しい。

 スイッチバックして出発した列車は、トンネルを抜けループ線で高度を上げ、はるか眼下の大畑駅を見下ろす。乗務員のガイドに加えて、一旦停車した場所には案内看板も掲げられているので、どんな線形なのかよく分かる。新幹線に乗ってしまっては分からない、昔ながらの鉄道技術だ。

 矢岳駅でも一旦停車し、駅前のSL資料館を見学できる。客室乗務員からは交代でシャッターを押してもらえて、観光バスで観光しているような気分になった。ただバス並みに柔軟にはいかない列車ダイヤゆえ、客室乗務員も少し焦り気味。SLの見物も駆け足で、もう少し時間が欲しいところではある。早く行きたい地元の乗客には、迷惑な話かもしれないけれど…

 矢岳を発車して程なく、日本3大車窓と謳われた、霧島連山から桜島を望める大眺望へ。冬晴れの今日、うっすらと桜島の陰を望むことができて、一同、おおっと歓声。前回は晴れていたのに望めなかったから、今回はラッキーといえそうだ。1度などは大雨のため、列車そのものが運休になったほどだから、いつでも出会える風景ではない。

 次の駅は、真幸(まさき)。文字は違えど僕の姓と同じ読みの駅で、なんだか照れくさい。肥薩線では唯一、宮崎県に属する駅で、例の東国原知事の立て看板もお出迎えしてくれた。地元の歓迎ぶりはここが一番で、いつも地元のおばちゃん達が所狭しと土産物を並べ、歓待してくれるものだから、ミニ洗濯板を衝動買いしてしまった。幸せの鐘を合図に、終点吉松駅に向かう。

 吉松駅では、観光特急「はやとの風」に乗り継ぎ。こちらは指定席券を確保できなかったので自由席に並んだが、運よく2ボックスを確保できた。いさぶろうと同じキハ40代の気動車とはいえ、特急らしくリクライニングシートで快適である。

 2駅目の大隅横川駅では、5分間の見学停車。「はやとの風」運転開始と共に話題になった嘉例川駅と同じ、100年を経た木造駅舎だ。同じくらい古い駅舎にも関わらず、以前のダイヤだとこちらはすぐの発車だったのだが、一昨年から停車時間が伸びた。柱には機銃掃射の跡が残り、戦争の記憶も語ってくれる。はるか前方には高速道路の立派な高架が渡り、ゆっくリズムの旅と好対照を見せてもいる。

 霧島温泉駅では、以前の上り列車では特産品やそばの販売があったものだが、今回は素通り。すっかり観光名所になった嘉例川駅では例によって5分停車し、駅舎を見物できる。元駅務室にはタブレット閉塞機が残されており、男メンバーは興味津々。気を取られていると、停車時間はあっという間に過ぎてしまう。

 新幹線経由では80分の距離を、4時間かけてようやく隼人へ。僕にとっては長いようで短い、充実した山越えの旅だったけど、女性陣には少し間延びした感もあったようで、ウツラウツラ… さあ起きて、隼人で乗り換えばい!

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