Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

BRTへの第一歩、福岡市で連接バス運行開始!

2016年08月09日 | ■建築&街づくり
 福岡市では西鉄と協同で、都心循環BRT(バス高速輸送システム)の導入を計画しています。その目玉ともなる連接バスが、試験運行という形で昨日(2016年8月8日)から走り始めました。
 福岡の都心を走る、ヨーロッパスタイルのバスの乗り心地やいかに? 運行2日目の9日、試し乗りに行きました。


 というわけで、始発地の博多港国際ターミナルへ。9月中旬までの約1ヶ月間は、国際Tから博多駅と天神を結ぶ、2系統の路線として運行します。それぞれ1日6往復の、限られた本数です。
 バス停には、本格運行も見据えて「BRT」のロゴ入りバス停が立てられていました。車両だけではなく、信号やバスレーンなど地上での整備も合わせて高速運行を目指すシステムが「BRT」。それらが整わない現時点では、ちょっとフライングと言えるかも。


 僕の乗る天神方面行きの前に、博多駅行きが到着。流線形の車体と、これまでの西鉄バスのカラーとは違う白と黄色の塗装が、スマートな印象を与えます。
 バスはスウェーデン製。北欧スタイルの「外車」なのです。


 後部車両にもドアがあり、ICカードを持っていれば乗降可能。本格運行時にはワンマン運行を目指しているようですが、試験運行中は女性の案内員さんが付きます。
 海外研修帰りなのか、大荷物の若者が目立ちましたが、余裕を持って全員着席できました。これが130人乗りの威力か。


 続いて19分後に、天神行きが到着。国際Tのバス乗り場は、博多方面と天神方面で乗り場を分けていますが、長い連接バスは2方面の停車場をまたいで停まります。先発の博多行きが出るまで、しばし待機です。
 最後尾には「全長18m 追い越し注意」の注意書きも。


 天神行きは余裕があり、ゆったりと乗り込めました。後部車両から前方を見渡すと、ご覧の通り。まるで路面電車のようです。ヨーロッパで見てきた風景が、福岡に再現されました。
 前方車両の後ろ向き座席が、特に目新しい印象です。

 停車地はマリンメッセとサンパレスのみ。ただ所要時間は天神コアまでが20分、博多駅までは23分で、各停バスのそれぞれ18分より長くなっています。時刻表上では、各停に抜かれる便もあるほど。
 試験運行ということで、余裕を見た所要時間になっているのでしょう。となればBRTを名乗るのは、なおのこと時期尚早かも。


 連接部分をくねらせながら、福博の街を堂々行進。色とりどりのバスが走る街だけに注目度は高くないものの、10人に1人くらいは珍しそうな視線を向けています。


 バス車内のデザインも、他のバスとはだいぶ違う雰囲気。木目調の床と彩度を抑えた座席で、落ち着いたイメージになっています。
 前方車両は広々としていて、車いすでの乗り降りもスムーズにできそうです。


 後部車両は座席が多く、座れる確率は高まりそう。韓国に渡る際、博多港まではよく利用するので助かります。
 座席のひじ掛けは細く、とてもひじは載りません。通路との仕切りといった方が適当かも。


 見慣れないものの一つがこれ、窓ガラスを割るためのハンマー。事故の際、窓ガラスを割って脱出するためのもので、海外ではお馴染みの装備です。非常時以外に外すとブザーが鳴る仕掛けで、念が入ってます。
 その代わりに日本のバスでは一般的な、乗降口と反対側の非常口がありません。


 ワンマン運行に備えて、後部車両から運転士に通話できる、インターフォンの設備も。


 今の路線は約1ヶ月の暫定的なものなのに、きちんとデザインされた路線図が入っているのは立派です。
 運賃は博多方面が230円、天神方面が180円で、現行の一般路線バスと同額。市内を循環する本格運行時は別建ての運賃体系になるようですが、さていくらになることやら。


 博多港から約20分で、天神コア前着。サンパレスからの乗客もあって降車する人数は多かったものの、後部車両のドアからも降りられたので、スムーズに全員降りることができました。
 さすがにバスを待っている人には目立つ存在で、スマホを向ける人も多かったです。

 路面電車でもバスでも、定員の多い連接タイプでは乗降に時間がかかるのが難点。ヨーロッパの信用乗車方式(停留所で切符を買い、車内検札は抜き打ち)なら早いものの、日本では馴染みのない方式です。
 今は後部車両の乗務員も運賃収受を行っていますが、本格運行時にはICカード専用の出入り口になることが予告されています。運転士の目が届かない「半信用乗車」とも言えるシステムであり、この成否にも注目したいところです。

 来月の循環運行開始時には、また乗りに行ってみたいと思います。

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