Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

ゲキ★ヤス1万円きっぷの旅[2-2]海の幸に旨い酒

2010年02月07日 |  □鉄道ジャーニーBlog編
 道の駅を出発した白い2台のバスは、日南海岸とつかず離れずのコースを辿る。日南線からの車窓もよいけれど、丹念に海岸線をトレースするバスもいいものだ。

 ガイドさんの民謡に耳を傾けつつ、次の見学地は鵜戸神宮。階段を登り、人道トンネルをくぐって海岸線を出ると、剣道の防具を付けた小中学生でいっぱいだった。なんでも境内で剣道大会が開かれているらしく、参道もお弁当を広げる学生や父兄で埋まっている。
 「私もこんな状況は初めてです」
 と、ガイドさんも目を白黒させていた。

 気を取り直して、本殿へ。岩窟の中にあるという、世にも珍しい社だ。本殿の天井は、どこから見ても目が合うという龍が描かれており、みなガイドさんの説明に従い覗き込む。その様子をハタから見るのも、面白かった。

 岩壁にそそり立つ「亀石」のくぼみに、運玉を投げ入れられれば願いが叶うという、独特の慣わしも。男性は左手でというゲーム性もあり、さっそく僕ともう一人でチャレンジしてみたが、球技の苦手な僕が入れられるわけもない。もう一人は2投目で見事成功しており、さてこの先どんないいことがあるのか、見ものである。ちなみにこの運玉は近くの小学生が作っており、収益で教材を買っているのだと、後刻ガイドさんからの説明を聞いた。

 「みなさん、入らなくても、とってもいいことをなさっているんですよ」
 という善行感も、観光バスに乗ったからこそ得られたものの一つだ。

 神宮を出発したバスは、ここまで続行で走ってきた飫肥方面行きと別れ、それぞれの目的地へと走り始めた。3月6日からは、南郷ルートも飫肥経由になる予定で、やはり城下町飫肥の人気は高いようだ。その代わり青島と鵜戸の見学時間が削られるようで、少し駆け足になってしまいそう。我らが南郷ルートは日南線とからみつつ国道を下り、南郷町へ。ここまでガイド頂いたガイドさんを拍手でねぎらい、贅沢な貸切バス観光は南郷駅でフィナーレとなった。

 この旅のハイライト・海幸山幸の出発までは2時間半あり、地元南郷町が運行している周遊バスに乗ることにした。好みの観光地を2箇所巡れるダイヤとなっており、500円の観光地割引券+絵馬のセットを購入すると乗れるシステム。さっそく駅の特設販売場で買い込み、小さなマイクロバスに乗り込んだ。ちょうど下りの海幸山幸号が到着し、バスに乗り継ぐ人も多く、満員に。シーズンには運びきれなくなりそうで、この間遊んでいる「にちなん号」をバイトさせてもよい気がする。いずれにせよ、自動車天国の九州で、公共交通機関の旅が好評なのは喜ばしいことだ。

 僕らは、5分とかからない港の駅・めいつで下車。ここで昼食後、次のバスで海中観光船乗り場に行き、海中散歩を楽しんで駅に戻るというプランだ。ところが、めいつのレストランは大行列。昨日の宿では、5周年を迎えイベント開催中というニュースを見ており、どっと人が集まったようだ。好評なのはいいけど、こちらは時間も限られているので、海幸山幸のパンフレットに紹介されていた「鈴之家旅館」に転進。しかしこちらも混んでいて、水中観光船に乗れるかは微妙になってきた。

 腹ペコのまま40分ほど待ち、ようやく席へ。もう観光船は無理で、こうなったらゆっくり海の幸を堪能しようと気分を入れ替えた。1,100円なりの鈴之家定食は、ヅケにアラの味噌汁、刺身と魚尽くし。最近(年齢のせいか)肉より魚の僕にとっては、たまらないメニューだ。観光船は残念だったけど、宮崎の南にまで来て出会えたおいしさに満足、満足。

 JR利用者にはソフトドリンクか焼酎のサービスがあり、男性陣は焼酎のお湯割を頼んだところ、とっくりに並々と入れられて出てきてびっくり。飫肥杉という地元南郷の芋焼酎で、サラリとして飲みやすい。ぐいぐいいけて、昼間からかなり酔ってしまった。

 周回バスなので駅に戻るバスはなく、途中スーパーで買出しをしながらトボトボと、15分ほどの道のりを戻る。思えばこの歩ける距離片道だけのバスに500円を投じたことになるわけで、高い買い物だった。

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