東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道が、2014年4月、南リアス線・北リアス線の両線ともに全線復旧することになりました。
壊滅的な被害を受けながらも、震災わずか5日後には部分的に運行を再開。国の補助も得られ、これまで少しずつ運行区間を伸ばしてきました。その間には朝ドラ「あまちゃん」のヒットもあり、多くの話題を与えてくれた鉄道会社でもあります。
少しずつ伸びる三鉄には3度に渡って乗ってきたので、思い入れもひとしお。悲願の全線復旧がかなう瞬間をも届けたくて、飛行機と夜行バスを乗り継ぎ現地に向かうことにしました。
まずは4月5日土曜日につながる、南リアス線の始発駅・盛を目指します。
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仕事を終え、飛行機で福岡から羽田へ。東京出向中の友人と合流して、まずは文化財の高架を活用した商業施設「マーチエキュート神田万世橋」を訪ねました。
夜に行って見たかった、旧ホーム上のカフェ「N3331」でビールを一杯。ガラスの両側を、「日常」を満載した中央本線の電車が駆け抜けて行きます。普通の生ビールも、千金の味です。
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池袋から、気仙沼・大船渡方面の夜行バス「けせんライナー」に乗ります。明朝は三鉄復旧の日でもあるからか、早くから予約でいっぱいになっていました。酔いが回り、一週間の疲れもあって、都内を抜ける頃には夢の中へ…
朝を迎え、バスは気仙沼から陸前高田へと向かいます。大きな被害を受けた沿岸部の旧市街地には、山から続くベルトコンベアーが完成。大規模な土地の造成が続き、新しい街に生まれ変わろうとしていました。
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陸前高田で下車、JR大船渡線の仮復旧と位置付けられているBRT(バス高速輸送システム)に乗り換えました。BRTは昨秋、盛~気仙沼間に乗ってみましたが、「支線」に当たる高田~矢作間は未乗だったので「乗り潰し」です。
陸前矢作も本来は「本線」上の駅ですが、BRTは高田~気仙沼間をバイパスでショートカットするため、経由しない矢作方面はこの「支線」がカバーします。
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行き止まりの終点となっている矢作駅は、本来の鉄道の駅からやや離れた所に位置します。
朝7時前ですが学生さんが集まってきていて、BRTに乗るかと思いきや、「通学支援バス」に乗り込んでいきました。
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矢作から上鹿折(気仙沼)方面の線路は、ほぼ無傷。再び列車が走る日を願うのですが…
支援バスに乗り遅れたと思しき学生さん1人と共に、盛方面へと戻ります。
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高田~矢作間の支線区間は一般道を走るBRTですが、唯一の中間駅・竹駒駅前後の数百メートルだけは専用道になり、「駅」が設けられています。
あまりに短くてBRTの「高速」は発揮できず、むしろ専用道への出入りに時間を要しているようでした。ただ、普通のバス停よりは「駅」としての存在感はあります。
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小友までは高台の裏道を走りますが、沿道には新しい住宅や商店が張り付いていました。
小友からは10km以上に渡る、長い専用道へ。低地では復旧工事が行われており、その真ん中を新しい専用道が貫きます。
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専用道上の細浦駅で下車。駅周辺は津波で大きな被害を受けた地域の一つですが、被災前の街並みを思い起こすには想像力が必要です。
かつては気動車が走った築堤の上を、新しい1台のバスが走って行きます。
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駅の周囲は荒涼としていますが、仮復旧の岸壁には多くの漁船が留め置かれ、港町の活気を感じられます。港湾施設も、復旧工事が進んでいました。
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BRTの車窓に見える海にも、養殖筏が点々と浮かんでいます。4月17日からは、席が窓を向いた観光用BRTも走り始める予定で、車窓名所の一つになることでしょう。
ただいつかは、列車から眺めてみたい車窓です。
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大船渡市・盛駅に到着。右側がJR(BRT)、左側が三鉄の駅舎です。
いよいよ今日、全線復旧を果たした南リアス線に乗り込みます。
壊滅的な被害を受けながらも、震災わずか5日後には部分的に運行を再開。国の補助も得られ、これまで少しずつ運行区間を伸ばしてきました。その間には朝ドラ「あまちゃん」のヒットもあり、多くの話題を与えてくれた鉄道会社でもあります。
少しずつ伸びる三鉄には3度に渡って乗ってきたので、思い入れもひとしお。悲願の全線復旧がかなう瞬間をも届けたくて、飛行機と夜行バスを乗り継ぎ現地に向かうことにしました。
まずは4月5日土曜日につながる、南リアス線の始発駅・盛を目指します。
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仕事を終え、飛行機で福岡から羽田へ。東京出向中の友人と合流して、まずは文化財の高架を活用した商業施設「マーチエキュート神田万世橋」を訪ねました。
夜に行って見たかった、旧ホーム上のカフェ「N3331」でビールを一杯。ガラスの両側を、「日常」を満載した中央本線の電車が駆け抜けて行きます。普通の生ビールも、千金の味です。
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池袋から、気仙沼・大船渡方面の夜行バス「けせんライナー」に乗ります。明朝は三鉄復旧の日でもあるからか、早くから予約でいっぱいになっていました。酔いが回り、一週間の疲れもあって、都内を抜ける頃には夢の中へ…
朝を迎え、バスは気仙沼から陸前高田へと向かいます。大きな被害を受けた沿岸部の旧市街地には、山から続くベルトコンベアーが完成。大規模な土地の造成が続き、新しい街に生まれ変わろうとしていました。
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陸前高田で下車、JR大船渡線の仮復旧と位置付けられているBRT(バス高速輸送システム)に乗り換えました。BRTは昨秋、盛~気仙沼間に乗ってみましたが、「支線」に当たる高田~矢作間は未乗だったので「乗り潰し」です。
陸前矢作も本来は「本線」上の駅ですが、BRTは高田~気仙沼間をバイパスでショートカットするため、経由しない矢作方面はこの「支線」がカバーします。
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行き止まりの終点となっている矢作駅は、本来の鉄道の駅からやや離れた所に位置します。
朝7時前ですが学生さんが集まってきていて、BRTに乗るかと思いきや、「通学支援バス」に乗り込んでいきました。
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矢作から上鹿折(気仙沼)方面の線路は、ほぼ無傷。再び列車が走る日を願うのですが…
支援バスに乗り遅れたと思しき学生さん1人と共に、盛方面へと戻ります。
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高田~矢作間の支線区間は一般道を走るBRTですが、唯一の中間駅・竹駒駅前後の数百メートルだけは専用道になり、「駅」が設けられています。
あまりに短くてBRTの「高速」は発揮できず、むしろ専用道への出入りに時間を要しているようでした。ただ、普通のバス停よりは「駅」としての存在感はあります。
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小友までは高台の裏道を走りますが、沿道には新しい住宅や商店が張り付いていました。
小友からは10km以上に渡る、長い専用道へ。低地では復旧工事が行われており、その真ん中を新しい専用道が貫きます。
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専用道上の細浦駅で下車。駅周辺は津波で大きな被害を受けた地域の一つですが、被災前の街並みを思い起こすには想像力が必要です。
かつては気動車が走った築堤の上を、新しい1台のバスが走って行きます。
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駅の周囲は荒涼としていますが、仮復旧の岸壁には多くの漁船が留め置かれ、港町の活気を感じられます。港湾施設も、復旧工事が進んでいました。
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ただいつかは、列車から眺めてみたい車窓です。
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大船渡市・盛駅に到着。右側がJR(BRT)、左側が三鉄の駅舎です。
いよいよ今日、全線復旧を果たした南リアス線に乗り込みます。