里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ウワミズザクラ ブラシ状の花

2017-03-12 | 日記
気仙沼市南部の小泉地区から田束道路を上がって行くと、道路の谷側法面に
ウワミズザクラの白い花がたくさん咲いていました。背景が暗い杉林でしたから、
白い花が際だって見え、花のつくりもよく見えます。このようなつくりの花序を
総状花序と言います。まるで試験管ブラシのようですね。

ウワミズザクラの花芽からは最初数枚の葉が出て、やがて先にブラシのような
花序を付けた軸が伸びだします。
このように葉と花の両方を含んでいる芽を、「混芽」と言うようです。




                             二枚とも2016.5.9撮影

ウワミズザクラのツボミには、咳止めの効果があるようです。
有効成分はプルナシンで、開花前のまだ青いツボミを混芽ごと元から採取して、
陰干し乾燥したものを、煎じて服用します。
また、ツボミは塩漬けにしたものが食べられますし、新潟県では未熟な果実を塩漬け
にしたものをアンニンゴ(杏仁香)と呼び、お茶うけや酒のつまみにします。


                                 2016.5.9撮影

バラ科ウワミズザクラ属の落葉広葉樹で、樹高20mになる高木。
北海道~九州に分布し、比較的湿気を好み、沢沿いや溜池周りに多く自生する。
樹皮は暗紫褐色で、横長の皮目がある。
葉は互生し、葉身は卵形で長さ8~11cm、先端は尾状に尖り、基部は鈍形。
表面は無毛、裏面は葉脈上に毛があり、縁には細かい鋸歯がある。
花期は4~5月で、展葉後に新枝の先から総状花序を出し、白い花を多数密集して付ける。
花は直径6mmほど、花弁は5個で、長さ3mmほどの倒卵形。
雄しべは30個ほどあり、花弁より長く突き出る。雌しべは一本で雄しべと同長。
果実は核果で直径8mmほどの卵形、8~9月に橙色から黒紫色に熟し食べられる。
秋には黄葉する。



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