里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

チドリノキの黄葉

2018-11-27 | 日記
南三陸町戸倉地区南西部、沢に沿った林道を上がって行くと、道下の渓畔に黄葉した木が
点在しているのが見えます。遅い黄葉ですから、カエデの仲間のチドリノキでしょうね。
この木の葉は枯れても落葉せずに年を越すくらいですから、黄葉も遅くまで見ることが
できます。ただ、日陰に生える木ですから、近くで見るとちょっとくすんだ黄葉ですね。

チドリノキを漢字表記すると「千鳥の木」で、その由来は翼の付いた一対の果実を、野鳥の
チドリの飛ぶ姿に見立てたものと言われています。




                             二枚とも2018.11.25撮影

この木の材は帯黄色から淡紅色で、堅くて緻密なことから装飾用の家具材、器具材として利用
されてきました。昔は刀の鞘や柄にも使われたそうです。

甘味料のメイプルシロップはカナダのサトウカエデから採りますが、チドリノキの樹液からも
砂糖を採ることができるようです。
ただ、大木になる木ではないので、実際に採ることはないと思いますけどね。


                                 2018.11.25撮影

ムクロジ科カエデ属の落葉広葉樹で、樹高8〜10mの高木。岩手県以南の本州〜九州に分布。
山地の沢沿いや湿り気のある山裾などに自生し、半日陰かそれ以下の陰地を好む。雌雄異株。
幹は暗灰色~灰色で皮目が点在する。若木の樹皮はなめらかだが、成木では縦に割れる。
葉は対生し、葉柄は長さ5~20mm。葉身は卵状長楕円形で長さ7~15cm、基部は円切形、
先端は尾状に鋭く尖り、葉縁は鋭い重鋸歯。葉表は若葉の時に脈上に毛があるが後に無毛。
側脈は18~25対、平行する直線状。サワシバやクマシデの葉に似ている。
花期は5月、雄花序、雌花序とも長さ5~8cmの総状花序を出し、直径1cmほどの淡黄色の
花を5〜15個つける。花弁と萼片はふつう4個あり、軟毛が生える。
雄しべは4〜10個だが、個体によって変異がある。両性花の花柱は2裂し、子房には白色の軟毛
がある。果実は翼果。分果は長さ2.5〜3cmで無毛。翼はほぼ直角に開く。


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