里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アカガシ 松島丘陵の林縁

2019-02-16 | 日記
東松島市上下堤地区南部、丘陵の裾に沿う細い用水路があって、その畦道を歩きながら
林縁の樹木や羊歯を観察していると、常緑広葉樹が茂っているのが見えます。
歩み寄るとカシの仲間と思われますが、よく見るシラカシよりも葉が大きく、縁に鋸歯が
ありません。さらに観察すると、葉柄が長く3cmほどありますし、葉の先端が長く尖って
います。ともかく写真を撮って持ち帰り、樹木図鑑と見比べて種を同定しましょう。

周辺を探すと、他に樹高5mほどの木が2本、1~2mの木が3本見つかりました。
実生で増えているようですね。




                            二枚とも2019.2.14撮影

樹木図鑑でカシの仲間の写真と見比べてみると、アカガシの葉によく似ています。
解説文を読むと前述の葉の特徴と同じですから、アカガシで間違いないでしょう。
分布域も宮城県・新潟県以南の本州~九州となっていますから、松島丘陵に自生していて
も違和感はありません。

アカガシの名の由来は、材に赤みが強いことからそう呼ばれたようです。
アカガシ材は在来種の中では堅牢なことで知られていて、イスノキに次いでトップクラス
だといわれています。さらに比重もあり、水にも強いなどの特性があります。
以上のことから、木刀やカンナの台、船の材料や山車の車輪など、強度を要する建築材や
器具材として幅広く用いられています。


〈ドングリのなる木 アカガシより〉


                                2019.2.14撮影

ブナ科コナラ属の常緑広葉樹で、宮城県・新潟県以南の本州〜九州に自生し、樹高は20m。
北限あたりでは丘陵地、暖地では標高500mほどの山地に自生する。
成木の樹皮は緑灰黒色で、ふつう皮目は目立たない。老木になると鱗状に剥離する。
葉は互生し、葉身は長楕円形で長さ7〜15cm、先端は長く尖り、基部は広いくさび形。
ふつう全縁だが、ときに上半部に波状の鋸歯がでるものがある。表面は深緑色で光沢があり、
裏面は淡緑色。葉質はやや硬い革質。左右は不ぞろい。
葉柄の長さは2~4cmあり、カシ類のなかでは最も長い。
花期は5〜6月、雄花序は長さ6~12cmで新枝の下部から多数垂れ下がる。花序の軸や苞
には白い軟毛が密生する。雄花の花被は膜質で5〜6裂する。雄しべは5〜9個。
雌花序は新枝の上部の葉腋に直立し、雌花が5〜6個付く。雌花序には褐色の軟毛が密生する。
花柱は3個。さじ形でそり返る。
果実は2年成の堅果。開花した翌年の秋にドングリとして成熟する。卵球形で長さ2cmほど。
穀斗は深いお椀形で、7~10段の輪がある。


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