記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

ジャミン・ウィナンズ監督「アナザーエフェクト 11:59」

2013-07-21 21:18:40 | ア行
タイミングがいろいろと良かった。

ジャミン・ウィナンズ監督「アナザーエフェクト」を観ました。
タイトルから、なんとなく「バタフライ・エフェクト」っぽい感じだなという印象を受けて、
借りて観たらこれが大当たり。

主人公(報道カメラマン)が少女誘拐殺害事件の容疑者を追い詰め、大スクープをつかんだと思ったら…!という話。
題名の「11:59」(原題でもある)は、主人公が夜の11時59分になるとなぜか過去に未来に飛んでしまうというところから、かな。

若干ネタバレ。
上記殺害事件の容疑者逮捕の裏には、州知事選挙に関する陰謀が隠れてるんだが、これを書いている今テレビでは選挙速報をやっております。

出演している俳優女優さんたちはあまり有名でもなさそう。映画賞も獲ってはいるけど…という映画らしいですが、この映画は観た方が良い。「アルゴ」みたいに、淡々としているけどスリリングな映画が好きな人はハマる。絶対にハマります。
タイムパラドックスに陥る主人公ですが、これがうまい具合に絡みあって、観てて非常に気持ちが良い!
粗も隙もない映画という印象を受けました。
「物事には必ず理由がある」とは、主人公の母親の言。タイムパラドックスなんて不可思議な現象がこの一言で解決(というか説明)できる。できちゃうんですよ。特に何も違和感なく、うまくうまくまとまってしまうわけです。すごいね。


蛇足。
音楽も良いです。良いんですよ。特にクライマックスシーンの音楽。
疲れが溜まってたのもあって完全に船漕いでた。やっちまっただ。

ピトフ監督「ヴィドック」

2013-06-30 19:54:03 | ア行
全編フランス語\(^o^)/この前はスペイン語だったなぁ。

ピトフ監督「ヴィドック」を観ました。
前回の「パンズ・ラビリンス」に引き続きダークな世界観の映画。革命前夜のフランスかな?
世の中が不安定で、破裂寸前の風船のようになっているその時、奴は現れた!
「その鏡に顔が映った者は、殺される」鏡の面を被った殺人犯と、それを追いかける探偵ヴィドック。
この事件の結末は?そして犯人の正体とは?
こんな映画です。


アクションがぬるぬるしてる。良い意味で。平成ライダーに近いものを感じた。
バク転とかもういろいろとぬるんぬるんしてた。
90分にいろいろと詰まってた盛りだくさんの映画。もう少し長くても良かったんじゃないかな。
黒魔術的なやつとか、錬金術的なやつとか、気になる部分が映画の中にちらほらとあったんだよ。
そこもうちょっと観たかった!観たかったんだよ!
あと、このヴィドック、実在した探偵ということで、先進的な捜査方法を確立したり、パリ捜査局の前身となる組織を作ったりと、すごい人らしい。
『レ・ミゼラブル』の主人公2人、ジャン・ヴァルジャンとジャヴァールのモデルにもなったとか。

本日の蛇足。
作品の中では、5人殺されるんだけれども、そのうち3人は死んで当然というか、鏡の男GJ。

ニール・ラビュート監督「ウィッカーマン」

2013-06-10 21:06:25 | ア行
そういやこんな名前の悪魔がメガテンにいたなぁ。なんて理由で借りてくるんじゃなかった。


もう観たくない、と思う映画にもいろいろありますが、そのうちの一つが「後味が悪い」。
最近ハッピーエンドかそこそこハッピーエンドの映画しか観てなかったから余計にきつい。

というわけで、後味悪し。そういう映画が好きな人にはお勧め。
虫が嫌いな人には逆におすすめしない。
主人公(ニコラス・ケイジだって!豪華!!)の元に届く元カノからの手紙。主人公を襲う幻覚。そもそも婚約までしてたのにふらっといなくなった彼女の願いを聞こうとするなよ。
で、まぁ、彼女からヘルプがあったので、彼女が今住んでいる島(超閉鎖的!)に単身向かいます。向かった先で彼を待っていたのは…!的な話。

どうもこの島。力関係が完全に女>男となっているようで。男は力仕事か、種馬としての役割しか求められていませんでした。小学校で、先生の「男性とは?」の問いに対して、子供たちが「男根です!」って答えるからね!びっくりしたわー。
なんとなく、薄々、オチを考えてはいた。まさかそれはあるまいという最悪の展開まで考えた上で、「新たな種馬」として呼ばれたと思ってましたが最悪の展開に転んだ。最終的には自分の娘に殺されるっておまけつきで。
夢見が悪くなりそうなオチの映画も何回か観てきましたが、これはカルト・ムービーというだけあって鬱展開だった。
ちなみに、ぱっと思いつく「鬱展開・鬱ラスト」の映画は、「セブン」と「ムカデ人間」。
他にもあったと思うけど、この2本は印象に残ってる。特に後者。

本日の蛇足。
ロリータ双子は可愛いけど(翠星石と蒼星石みたいな)、ロリータを着た双子のばあさんは恐怖の対象でしかない。

M・ナイト・シャマラン監督「アンブレイカブル」

2013-04-21 09:08:42 | ア行
中二病をこじらせたとか思ってごめんなさい。

M・ナイト・シャマラン監督とブルース・ウィリスがタッグを組んだよ!
ジャンルはまたサスペンスだよ!という映画。
主人公(ブルース・ウィリス)は冴えないおっさん。嫁と一人の息子(ただし両方とぎくしゃくしてる)
冴えないおっさんが列車事故に巻き込まれたところから話が始まります。

ただ一人の生還者となった主人公のところにイライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)からの招待状が届いたので、ある日イライジャの元を訪ねてみると…?というところで物語は動き出すのです。

今回非常にネタバレが多くなると思います。

まず、なぜ「中二病をこじらせた」と思ったのか。イライジャが漫画に対して熱すぎる思いを持っているからです。まるで修造のように。
「漫画はいつか起こる現実を表している」「それを世の中に伝えるために漫画はある」「どの文化も大切なことは“絵”で伝えてきた」というトンデモ理論(だと思ったんだって!)で主人公を混乱させる…しかもこのおっさん漫画に対しての思いが強すぎて若干どころかかなり周りに迷惑かけてんだぜ。この息子を誇りに思うって言ってのけた母ちゃんはすごいと思う。
最後の部分にはかなり共感するが。漫画って昔でいえば絵巻物だろ。きっと小説よりも伝わりやすいんじゃないかな。
で、イライジャは「鉄道事故でただ一人生き残ったお前はヒーローに違いない。」と言っちゃうわけですよ。こいつ漫画の読みすぎだろって思うよね?絶対思うよね?イライジャが病気持ちで日常生活を送るのも難しいという部分を考慮しても「こいつ…やばい」って思いますよね?主人公も当然そう思うわけですよ。そりゃそうだ。
主人公の持ってる能力はサイコメトリーに近いのかしらん。他人の意識が読み取れるという部分で。サイコメトリーに超筋力が備われば確かにヒーローになれるわな。
主人公サイドは、夢を断たれた(ことになってる)主人公は生きる目的を失いつつあってもやもや、奥さんはそんな旦那にもやもや、もやもやしてる父を見続けるハメになってもやもやする息子。息子は父親にヒーローでいてほしい。それは当然だろう。だからって「父ちゃん=ヒーロー説」を信じて父ちゃんに拳銃を向けたときはびっくりしたぜ!

紆余曲折あって、新たな能力(サイコメトリー)も開花して、「これは…!」と思った主人公、本当にヒーローになってしまいます。
息子大喜び。そりゃ今まで頼りない父ちゃんだったからな。実は「人を助ける力と優しさを持った頼もしい父ちゃん」だったとなれば、息子との関係もうまくいかないわけがない。主人公は、「家族との絆」と「自分への自信」を取り戻したのです。良かったね。最後のオチまで含めて良い話でしたね。オチの部分は次この映画を観る人のために言わないでおきます。
ただ自分は、オチまで観て、デビルマンを思い出しました。デビルマンは飛鳥より不動の方が好きです。悪魔だとシレーヌが好き。


今回の蛇足
サミュエル・L・ジャクソンは実際に漫画好きだそうです。これが最大のオチだと思いました。
Wikiに「好きな漫画は『ブラック・ラグーン』」と書いてあって、なんだか嬉しくなりました。
あと、時々、ジャン・レノとブルース・ウィリスの違いがわからなくなります。割とガチで。


全体的に無駄のない作り。監督の才能が光ってます。

梅津泰臣監督「A KITE」

2013-04-12 20:27:06 | ア行
にゃんこにポテチ食べさせちゃらめぇえええええええぇぇぇ!

「A KITE」…アニメ映画です。
どこからどう突っ込めばいいかわからないアニメ映画です。
ただ、私この映画嫌いじゃない。

音楽はとても良いです。ジャズっぽい。ずっとトランペットが鳴ってる。私好きよ、こういうの。
今敏が好きな人なら絶対好きです。今敏が攻殻作るとこんな感じ。
あと主人公の身元保証人(と書いて飼い主というかなんというか…)がタイプです。悪い事しか考えてない飄々としたちょっと小汚いおじさん。そしてスーツ。
ストーリーの作り方が面白い。47分でよくこんな濃いストーリーをまとめたものだ。

さてどこから突っ込もう。箇条書きで行こう。
・にゃんこにポテチ食わせる。
・主人公の飼い主は絶対ロリコン。JC(推定)のヌード。JC(推定)がヘブン状態。JK(推定)の事後。もう慣れきったJK。
・寝っ転がってトマト丸かじり。いやそれ汁垂れてくるよね!?でも全く汁の垂れないトマト。でも汁が飛ぶ。飛んで目に入る。
・主人公の彼氏の顔が…カンフーの彼にすごく似てる。顎とがってる。あれ何か既視感が…。
・服装のセンスが悪すぎる彼氏。

最後はとても面白かったね。うまくおちたね。予想できるオチではあったけど。「まぁ、そうなるよね」みたいな。
でも一番のオチは、これが元は18禁アニメだったってことと、実写化されるってことだな。
映画本編よりも、wikiの上記記述の方に驚きを隠せない。