9月23日(祝日)は日直をしていた。始まったと思ったらすぐに受診があり、ずっと切れ目なく受診が続いた。
消化器科の外来に通院している80歳代後半の女性が腹痛で受診した。胃切除術と胆嚢摘出術後で、総胆管結石は消化器センターのある専門病院で内視鏡的に摘出していた。
1か月前の8月のCTで総胆管に遺残結石(か新規の形成)を指摘されていたが、症状がないため経過観察となっていた。受診したいという連絡が入った時は、単純には胆道系の問題が疑われた。
午後0時ごろに急に心窩部痛が出現した。実際は心窩部から臍左側にかけての痛みだった。最初は腹痛に波があったが、途中からは持続痛になった。打診では鼓音があり、圧痛とpercussion tendernessを認める。
胆管炎ではなさそうだった。腹部正中と右季肋部に術創がある。これまでも便通は毎日はないそうで、その日排便はなかった。
点滴を入れて(末梢静脈が見えず、やっと入れていた)、アセトアミノフェン点滴静注を行ったが、痛みは変わらなかった。血液検査は時間外は簡易検査だが、生化学の方が上手く作動せず、何度か繰り返して何とか結果が出た。
炎症反応は陰性で、肝機能・血清アミラーゼは正常域だった。総胆管結石・胆管炎ではない。
腹部X線で崩れたニボーのように見える。腹部CT(単純)でみると、圧痛のある部位で消化液の貯留小腸が拡張している。癒着性腸閉塞が疑われた。
地域の基幹病院に連絡すると、外科系の担当は外科医ではなかったが、(当院は外科常勤医が不在)仕方ないでしょうと受けてくれた。午後4時に救急搬送したので、当番の外科医はまだ院内におられるのではないかと思った。
診断と治療について外科で診ていただくという紹介なので、こちらに戻される可能性もあった。当院の当直は整形外科医だったので、午後6時半くらいまで院内で待機したが、連絡はなかった。入院で診てもらえることになったようだ。
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