なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腸間膜脂肪織炎?

2018年04月11日 | Weblog

 55歳女性が内科小児科医院からの紹介で内科新患を受診した。紹介状には全身の痛み、特に腹部・背部とあったが、全身の痛みではない。受診時は体温37.3℃で、白血球数16400・CRP4.2と炎症反応の上昇があった。

 内科の若い先生に診てもらっていたが、よくわからないという。昨日の朝から腹部(臍周囲)と背部痛がある。背部といっても正中ではなく背部左右の痛みだというが、圧痛はない。主な症状は腹痛だった。臍周囲に軽度の圧痛があるが、腹膜刺激症状はない。白血球数9900・CRP17.5と上昇していた。

 放射線科の先生に腹部CTを見てもらったが、腹部臓器、腰椎・背筋に異常をできないと言われたそうだ。何度かCT画面を上下に動かして見てみたが、なんとなく腸間膜の濃度の少し上昇しているようだ。改めて、放射線科の先生に見てもらうと、以前の腸間膜脂肪織炎のような明らかな炎症像ではないが、炎症があるかもしれないと言う。

 患者さんは今日は体温36.9℃で、腹痛の程度は前日と同程度だという。食事がとれなくはない。入院しての経過観察はあまり希望しなかった。入院するとしても一度家に帰ってからまた来るようになるという。1日だけ外来で経過を見て、明日また受診した時に相談することにした。確定診断を言い切れないので、念のため血液培養を2セット提出しておいた。

 抗菌薬が効くというものでもなく、といってステロイドを入れるのも躊躇われる。今日は鎮痛薬(アセトアミノフェン)のみ処方とした。

 ケースで学ぶ 不明熱の診断学

 昨日は「ケースで学ぶ 不明熱の診断学」野口善令先生監修(文光堂)を購入。当院内科の不明熱のテキストは、「この1冊で極める 不明熱の診断学」とこの本にしよう。

 

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