Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

山岸凉子展

2016-10-27 20:58:00 | いろいろ


「山岸凉子展「光 -てらす-」 ―メタモルフォーゼの世界―」をやっと見に行けました。

やっと、と申しますのも、その美術館はなんと我が家から徒歩5分(ラッキー!)というのに開催日からほぼ1ヶ月も経っていたからです。

その立地に加え、私は高校生の頃マンガを描いてましたし、超初期と「テレプシコーラ」以降の最新作以外はほとんど読んでるファンです。

・・・しかし最近はマンガ自体にご無沙汰しちゃってもうファン失格かしら。

ともあれ、厩戸皇子やミノロフ先生の原画が見られるとは、ありそうでなかったこの機会は逃せません!

で、逃さなくて、よかった。やはり「アラベスク2」あたりからの繊細かつ華麗な線はすごかったです。

画家のミュシャの影響は昔からわかりましたが、様式は借りているとはいえ、構成も色彩も線の正確さも、上から目線のようで言いかたがおかしいけど、やはり只者ではありませんでした。

それは印刷でもわかるものなのだけど・・・原画だとその細かさが真実に目に迫るので、人の手が描いた線とは思えない精密さを思い知ったのです。

特に「日出処の天子」の着物の柄とか、日本画のような色彩とか。

原画以外にも、発表当時の雑誌や、作品・著書関係のプレゼントサイン色紙(印刷)とか応募者全員プレゼントとか、レトロな物品としても興味深いですよ。

特にびっくりしたのは、レコード!
「日出処の天子」のレコードが2枚出ていて、ジャケットがもちろん山岸先生。は~、リアルタイムファンだったのに、知らなかった・・・

表紙や扉絵以外のセリフのあるページなんて思わずストーリーを読んでしまい続きも読みたくなりました。

先生のお言葉というのも展示の合間に何箇所か入っていて、その中でまた驚いたのは、「絶好調の時期には、四文字熟語を一つ言ってくれたら一つストーリーがすぐに浮かんだ」と言う趣旨のこと。

神がかってますね?!やっぱり。

あと気になるのが、初期のメジャーな60年代少女マンガの丸顔に丸くて大な目のキュートな画風から、本来の自分の画風に変えた時(確か1970年、アラベスクの少し前)、読者からの批判が相次ぎ、「あの獣のような鼻はやめて」という手紙があったそうです。

しかしその画風を変えたという作品の原画は展示されていなかったので、「獣のような鼻」がどんな絵なのか、知る由もないのが残念でなりません。
どんなのだろう・・・
獣の鼻って・・・
狼?
イノシシ?
クマ?

そうそう、「アラベスク」のロシアの街の絵のかなり大きい部分を萩尾望都が書いた、というコメントも原画に添えてありました。

一緒に1ヶ月半もヨーロッパ旅行に行ったとも書いてありましたし、それぞれが宇宙を創る神のような人たちが一緒に旅行なんて、複数神のオリンポスの神々みたい。

展示原画を一部差し替えて、まだまだ12/25まで続きます。
ケーキと女の子は26日以降もOKだけど、山岸凉子展はもう見られませんよ~