Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

Three Families 感想

2021-05-11 12:35:00 | コリン・モーガン
北アイルランドで人工妊娠中絶が合法化されるまで、非合理な苦しみを強いられた3家族を描いた2エピからなるミニドラマシリーズが放送されました。BBCアイプレイヤーで全編配信されています。

途中まで見て2エピしかないことに納得、ふたつで充分重く、また理解することはシンプルだからです。事実に基づくので登場キャラは仮名ですが、法律が変わったのはなんと2019年ですので合法化運動に携わってTV取材を受けた女性もいるのでこの流れに詳しい方々には誰のことかわかるでしょう。



このドラマを見たのはコリン・モーガンが出演しているからですが、おかげでまた北アイルランドを知ることができました。

コリンの役は走る旦那さんジョンです(笑)。ちょっと変な髪型も一般人なんですからかっこよすぎては困るためと思われ。ベビちゃんを抱っこする姿は初公開ながら新パパらしくそこそこの安定感があるのはさすがです。練習したのか気になるところです。

この夫婦は異常児妊娠で子供が生まれても生き延びる確率はほぼ0とわかりながら、選択肢がないため出産しました。モリーと名付けられた子はすぐに亡くなりました。



3のうち他の家族はというと、

未成年の娘のために経口妊娠中絶薬をオンラインでオーダーして与えた結果、服用した娘の出血がひどくNHSの診療を受けたところから刑事沙汰となった女性のケースがひとつ。彼女は現在のパートナーや娘や自分の母との関係にも問題が起きてしまう。

最後は、高齢妊娠でやはり胎児の異常が見つかるが、妊娠を続ける以外の選択肢がなく臨月(に見えました)で胎児が死亡して人工陣痛で亡くなった子を出産した女性。高齢と言ってもまだ40歳、40代出産も珍しくない時代なのに。でもジョンの妻ハンナと違い、心身に受けたダメージから立ち直ってまた妊娠にトライする元気は失ってしまいました。

3つのケースを見て思ったことは、妊娠という肉体的な負荷に加えて精神的&社会的に追い詰められる女性たちを1840年の法律に沿って動かす社会ってやっぱり人権無視の人でなしだよな!ということ。これが男性にも降りかかる災難であればとっくの昔に法律改正されていたはずのことではないか。妊娠した女性は罰せられるべきだという道徳観でもあるのではないかということ。

妊娠した女性は罪を犯したと罰したい人間がこの世に大勢いるんではないか。それなら同罪の男も探し出して罰せられるべきなのに。

あ、これはこのドラマの趣旨からちょっとそれましたが、現在でも中絶に反対する運動が北アイルランドでは続いていることと、合法な処置でもまるで日本のコロナワクチンのように受けられない人が多く、未だに北アイルランドからは医療を受けるために本土=ブリテン島に家族や仕事を後にして渡る女性が大勢いると知って、そう思ってしまいました。

個人的には産婦人科と育児なら詳しい私のイギリス生活を思い出させるドラマでした。