Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ジョブvsメンバーシップ

2021-10-06 09:15:00 | 近況
いきなり仕事の話です^^;

アメリカのコンサルタントの記事を読んでて「ジョブ型人事」という知らない言葉が出てきました。どうやら「ジョブ・ディスクリプション」という職務内容に沿った人事のことを言う、今日本のビジネス界で流行ってる言葉のようです。

「ジョブ・ディスクリプション」を日本語で聞いたのは私は初めてで
「やった!日本にも現れたのか!」と思いました。

私は今、かなり日本的と思われる企業で働いていて、「なんでジョブ・ディスクリプション」がないのかなあと思うことがあるからです。

私が「ジョブ・ディスクリプション」を知ったのはイギリスから帰国して育児後に初の企業で働いたアメリカ系法人でした。そこでは年に2度の査定で、その人が雇われているポジションでの職務内容がダダダーーーッと列記された数ページに及ぶ表に沿って、その職務をいかに出来ているかを5段階評価で、本人とマネージャーがマークし、それに従って昇給が決定、それもパーセンテージで明記された算出法で決まるのです。

「ジョブ・ディスクリプション」のおかげで各部署で雇われた人が何をするべきか具体的に細かいところまでわかるので評価もしやすいし、
5段階は上から
「ゴールをはるかに上回っている」
「優秀に出来ている」
「期待通りに出来ている」
「期待に見合って出来ていない」
「全然ダメ」
となっていて、言われたことを全部やっただけではやっと真ん中の評価で、
各自の創意工夫やパフォーマンス力を上乗せできる余地のある採点法になっています。日本に良くある100点が最高で出来てなければ減点するのではなく、真ん中を100点にして加点もつけられるのでモチベーションを上げやすくしてあるのでしょう。

こういう会社を1度経験すると、「ジョブ・ディスクリプション」のない普通の日本の企業に1年ちょっと前に戻った時に、会社経営者や人事は何をしてるんだろう?としょっちゅう思うようになりました。

私がいるサービスアパートメントのオフィスとよくやりとりするのは営業部の人たちなんですが、彼らのやり方がバラバラで全く部としてのシステムができてないので効率が悪い。営業部の人たちは、自分がどこからどこまで何をやるべきなのか誰にも教わっていない感じなのです。

おまけに、私の現場のボスは「こんなこと言われなくてもやって当たり前」とかよく発言するんですが、いや〜、ジョブ・ディスクリプションがないから、「当たり前」はなく、従業員の誰かが期待することをやってないならば、具体的に言わないとダメじゃ?と思うのです!

でも現場のボスにしても契約社員で、それ以外の私を含む4人のスタッフはバイトだし、契約社員やバイトのジョブ・ディスクリプションを決めるべき正社員はいないのでお話にもなりません。

本社の正社員は仕事ができないので、実質は非正社員スタッフが回しているのですが、なぜこの会社が潰れないかというと、会社の上部が別の会社の上部と癒着しているので、そこで回ってくるお客様がいるからなのです。

私が仕事に応募した時、本社が口を出さなかったおかげで私のようなアウトローも採用してもらえたし、現場がほったらかしなのも私に好都合でした。

「ジョブ型人事」という海外型に比べ、従来の日本的な人事を「メンバーシップ型人事」というとのことです。これは終身雇用と年功序列、そして新卒一斉採用がセットです。最初の2つはもはや大企業の早期退職者募集でテトリスのように崩れつつあるのに、新卒一斉採用はまだ行われています。

とりあえず今の私にはお仕事があることがありがたく、癒着ででも会社が持ちこたえてくれればOKですが、毎日現場で働くには、「会員制」よりも風通しの良い「ジョブ・ディスクリプション」に沿って働きお給料をもらう方が新卒入社しなくてもチャンスが何度もあるし、入りたいクラブがない人にもいいと思います。