Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

アネット

2022-04-03 18:42:25 | スパークス

レオス・カラックスの新作映画「アネット」を見て来ました。

レオス本人も公開に合わせ来日し、ジャニーズ並みのスケジュールで舞台挨拶をされたようですし、新作に合わせ巨匠の旧作も東京で再上映が行われ、春のレオス祭り真っ只中です。

私個人的にはちょっと最近騒いでいるスパークスが原案・音楽だから見たので、春のスパークス祭り中。

レオス・カラックスにしてもスパークスにしても、映画と音楽という土壌は血がいますが、両名ともカルト的な人気という共通項があります。が、両方のファンである方って多いのかなあと疑問に思うキャラでもあります。

だってカラックス監督作品は、愛のドロドロを肉体と魂で見せる感じがするし、片やスパークスも愛のドロドロでも愛に対して客観的で、肉体と魂を俯瞰している視点を感じます。

でもそんな対立がひとつの世界を作ってしまっていて、今、旬な感のある「有害な男性性」が強く見える周りに、「セレブ生活の個人の精神への影響」とか「親と子の搾取と解放」など気になるテーマが迫ります。

男女と家族のドロドロではありますが、新しいミュージカルとしてセリフがほとんど歌で語られますので、フレームの中の舞台というか、歌が独白にも聞こえる観点からはマンガのような安心感があります。映像も美しいので生理的な行為が汚く見えません。

そして更にプロローグとエピローグに監督やスパークスが登場(スパークスは劇中にも出演してました^^)して「これはおとぎ話なんですよ」と語りかけてくる親切さ。というか重いお話を上手くスノードームに入れましたね。